ヘリコプターペアレントが子どもに与える影響
ヘリコプターペアレント、その特徴は、過干渉、過管理、過保護
上空を細かな動きで旋回するヘリコプターのごとく、子どもを常に観察し続ける親のことを指します。特徴は、過干渉、過管理、過保護。つまり、
- 子どものことに頭を突っ込み過ぎ
- 子どもの生活を管理し過ぎ
- 子どもの行動を守り過ぎ
アメリカの大学が行った調査で、母親のヘリコプターペアレント度と子どもの精神の不安定さには大きな相関があることが分かりました。(*)
この研究で分かったのは、「母親が過干渉だ」と答えた子ども達は、自分のことを、
- 気分の落ち込みが激しい
- 不安になることが多い
- 人間関係が苦手だ
- 能力が劣っている
- 現在の生活に満足していない
- 自主性に乏しい
- 自分ひとりで決断ができない
*出典:アメリカの学術誌Journal of Child and Family Studies (2013) 「Helping or hovering? The effects of helicopter parenting on college students' well-being」より
子どもへの影響でもっとも深刻なもの
先ほど書いた「ヘリコプターペアレントが子どもに与える影響」、あなたは、この7つの中で、どれがもっとも深刻な影響だと思いますか?私は、最後の2つ、「自主性に乏しい」「自分ひとりで決断ができない」が特に問題視すべき点だと感じています。気分の落ち込み、不安感、劣等感、人間関係……。確かにどれも深刻ですが、これらは、自主性や自己決断力が不足しているために起こる余波と考えられるからです。
過干渉、過管理、過保護は、
「子どもが自分の足で自分の人生を歩む力を奪ってしまう」
のです。これは、気をつけていかねばいけません!
子どもにもママにもそれぞれの人生がある
子どもが一人で歩めるように!
母と子は妊娠中の心身一体状態からスタートし、生まれてからもしばらくはいつも一緒の時期が続きます。
その一方で、子育ての最終的なゴールは、子どもを一人前の大人にすること。
つまり、母子の距離感は、妊娠中から20年ほどで、驚くほど変化をしていくのです!
子どもが小さいうちは、日々の忙しさに流されて、母子の距離感を客観的に見つめるチャンスはなかなかありませんよね。可愛さのあまり、つい距離感ゼロになってしまうことも多々あると思います。そんなときは、ぜひ次の質問を自分に投げかけてみてください。
「子育ての最終ゴールは何だろう?」
日々の忙しさから、一歩引いた見方をするのにおすすめです。
私が、著書などで繰り返し述べているのは、
- 子どもには子どもの人生がある
- ママにもママの人生がある
「ヘリコプターペアレントにならないために:後編」では、幼少期から取り入れたい子どもとの適切な距離感の作り方についてご紹介しています。
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