千葉市の新規販売はピーク時の3分の1に

東京カンテイのデータによると、千葉県の新規物件は極端に減少し、価格はさほど下がっていません。他のエリアに比べて上昇が少なかった分、下げ余地も小さいということのようですが、さて、今後はどうなるのでしょうか。

在庫物件の整理を進め、新規売り出しは減少

千葉市の2009年1月～7月の新規物件のうち価格調査可能な物件は553戸。このままのペースが続けば、年間でもせいぜい1,000戸前後にとどまるとみられます。2008年が1,159戸でしたから、それ以下にとどまる可能性もあります。2006年のピーク時には3,084戸でしたから、3分の1程度まで減少しそうです。

そのなかで、価格はほぼ横ばい傾向が続いています。2009年は坪単価が159万円台で、2008年の154万円台に比べて3.2％のアップ。供給数の多かった2006年は132万円台でしたから、当時に比べて、まだまだ高い水準が続いています。各社とも、在庫物件の販売に力を注いでいますが、なかなか思うように価格調整が進んでいないのが現実のようです。

「広くて安い」をどこまで訴求できるかが勝負

千葉市のなかでも中心部の中央区、稲毛区、美浜区などで在庫物件の増加が目立ち、2007年に分譲された物件でも、まだ継続して販売されているものが少なくありません。

「東京の都心近くに、価格を比較的低く設定したコンパクトタイプのマンションが増えています。都心近くで買える時代になってきましたから、都心への時間距離が長い千葉市の場合には、かなり厳しい環境といわざるを得ません。千葉の魅力である『広めで安い』という点をどれだけ訴求できるかが市況回復のための条件になってくるでしょう」（東京カンテイ市場調査部 上席主任研究員・中山登志朗氏）

平均価格は横ばい圏とはいえ、市場の力関係をみると、圧倒的な買手市場であることは間違いなく、かなりの価格調整が必要になってくるでしょう。今後、広くて安い物件を手に入れるためには、千葉市に注目しておくのもいいのではないでしょうか。

■千葉エリア 行政区別相場情報（千葉市）
（単位：戸数＝戸、平均専有面積＝m²、平均価格＝万円、平均坪単価＝万円）
※---はデータなし

行政区名	項目	2006年	2007年	2008年	2009年 （1～7月）
千葉市中央区	分譲戸数	1,478	723	419	104
	平均専有面積	80.03	76.72	76.06	80.24
	平均価格	3,285	3,297	3,319	2,686
	平均坪単価	135.2	142.4	143.6	110.7
千葉市花見川区	分譲戸数	132	60	29	62
	平均専有面積	87.67	77.98	72.97	77.71
	平均価格	2,964	3,653	3,723	3,764
	平均坪単価	112.3	158.8	167.7	159.8
千葉市稲毛区	分譲戸数	715	260	447	169
	平均専有面積	80.97	83.34	79.82	76.04
	平均価格	3,065	3,782	4,314	4,371
	平均坪単価	125.0	148.4	177.1	189.2
千葉市若葉区	分譲戸数	116	206	---	---
	平均専有面積	76.43	85.87	---	---
	平均価格	2,636	2,883	---	---
	平均坪単価	115.1	110.4	---	---
千葉市緑区	分譲戸数	70	103	40	---
	平均専有面積	77.19	78.81	76.40	---
	平均価格	2,385	3,132	2,624	---
	平均坪単価	101.6	132.8	113.4	---
千葉市美浜区	分譲戸数	573	418	224	218
	平均専有面積	81.86	81.94	75.45	95.99
	平均価格	3,630	3,983	3,049	4,654
	平均坪単価	146.3	159.7	133.7	158.5
千葉市（全体）	分譲戸数	3,084	1,770	1,159	553
	平均専有面積	80.72	80.16	77.33	84.88
	平均価格	3,240	3,485	3,636	4,098
	平均坪単価	132.4	143.7	154.1	159.1

（データ提供／東京カンテイ）