学費・教育費/子どもへの金銭教育

おこづかいを通した金銭教育のツボ<小学生>

子どもの進級や進学をきっかけにおこづかいをスタートさせたり、値上げ交渉に応じるご家庭もあるのではないでしょうか。子どもの金銭教育の必要性や始め方について考えてみましょう。

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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子どもの金銭教育、どうする?

子どもの進級や進学をきっかけにおこづかいをスタートさせたり、値上げ交渉に応じるご家庭もあるのではないでしょうか。子どもの金銭教育の必要性や始め方について考えてみましょう。
 
子どもの金銭教育も大事な家庭教育です

子どもの金銭教育も大事な家庭教育です

 

月ぎめのおこづかいはいつから始めるのが正解?

個人的に小学校での金銭教育講座なども担当させていただいていますが、保護者からよく聞かれるのが、「いつごろから月ぎめのおこづかいをあげたらいいのでしょう?」という質問です。年度末に数校うかがった学校でも同じように聞かれました。

月ぎめのおこづかいは金銭教育の一環、という意識は保護者の方の間でも理解は進んでいる様子ですが、ただし、実際にあげ始めるとなるときっかけが見つからないようです。

始める時期としては、発達の状態から考えて小学校3、4年生くらいがいいと言われていますが、関心度や発達によっても1人ひとり異なると思っています。

そのため、タイミングの目安としては、
  • 子どもの方からおこづかいが欲しいと言ってきた
  • 現物支給での要求も多く、コントロールを覚えさせたいと親が感じる
そんなときでいいのではないかと思います。

ですので、子どもあるいは親が必要性を自覚するまでは慌てて始めることはないのかもしれません。最近、学校を回っていて耳にするのは、「毎月のおこづかいは中学になってから」という子どもや保護者の声があることです。それはそれで1つの選択だと思います。
 

おこづかいは「月ぎめ以外」の選択肢もある

おこづかいの管理法は月ぎめだけではなく、お年玉を1年間で使う、家事を手伝った分だけもらう、といった方法もあります。これらの方法をとっているご家庭も若干ですが増えている印象があります。

もちろん、限られたお金を上手に使うトレーニングをするということでは、月ぎめでもお年玉でもどちらでも問題はないですし、家族の一員として積極的に参加するには「家事の報酬」としておこづかいをあげるのも一法です。

特に、お年玉を年間で管理するのは月ぎめよりも難しいはずです。お子さんの性格やタイプに合った方法で始めるといいでしょう。

 

おこづかい導入時の注意点3つ

もしこれから月ぎめのおこづかいを始める場合は、「導入」として親御さんからわが子へ伝えていただきたいことが3つあります。

1つは、労働とお金がつながっていることを「見せる」ことです。言葉で言うよりも、仕事をしている姿を見せるなど、直感でわかるような形がいいでしょう。「お父さん、お母さんが一生懸命働いて手にするのがお金なんだ」と腑に落ちるようにしてあげましょう。

もう1つは、おこづかいの意味です。自由に使っていいお金であるのは確かですが、あくまでも家のお金の一部であって、「子どもたちを信用して預けているお金」だという説明もしておきましょう。だからこそ無駄な使い方をしないようにして、おこづかい帳でどう使ったのか報告してね、と言うこともできます。

また、お金を渡すときには、目を見ながら両手で受け取り、必ず「ありがとう」と言うことをルールにしてみてください。大事なものを渡されているのだと子どもにも伝わるのではないでしょうか。

 

おこづかいの金額は「個々に決める」

おこづかいの額については、小学生は「学年×100円」などと言われますが、金額は個々に決めるといいでしょう。

まずは、どんなものをおこづかいで買うのかを整理してみてください。文房具まで含めるのかどうか、習い事の帰りのドリンク代なども含めるのかなど、子ども自身の行動などから考えて見積もるといいでしょう。

もちろん、金額を決める際には、家計の予算という制約もあります。家計が厳しい場合は、それを子どもたちに話して、おこづかいを待ってもらうのも一法でしょう。家計を赤字にしてまで子どもにおこづかいを渡すのは本末転倒ではないでしょうか。

 

使い方への過度な干渉や管理はNG

お年玉管理でも、月ぎめでも、家事報酬型であっても、もらったおこづかいをどう使ったか、できるだけおこづかい帳で報告してもらいましょう。

おこづかい帳をつけるメリットは、どんな使い方をしたのかが後からわかることです。月ぎめのおこづかいをもらっている子は特に、どんな使い方をしたのか親にも報告をすべきだと思いますので、そのためのツールにもなります。誰かにプレゼントを買うなど計画的な貯蓄が必要なときにも、今月はいくら残さなければいけないか、それができているのかなども確認できます。

ただし、お金の使い方の内容などに関しては、使うたびにこまごまと干渉するといったことは避けるべきです。本当のお金の使い方の“クセ”が把握できないままになってしまうかもしれません。

大事なのは、見守ることです。おこづかいを1日で使ってしまう子もいれば、全く使わずに貯めるだけの子もいます。お金を何に使うのかについても、傾向があるでしょう。

そうしたお金との付き合い方の“クセ”を把握したうえで、問題があれば、翌月のお金を渡しながらアドバイスをしましょう。問題点は地道に改善していくしかありません。問題のある“クセ”を改善し、計画性を持ってお金を使えるようにすることが、金銭教育の基本だと思います。

問題のある“クセ”をそのままにした場合、社会人になったときに大きな問題となって表れるかもしれません。できるだけ、親の目が届くうちに改善しましょう。

親がぶれずに、1度決めたルールを徹底することも大事だと思います。

 

お金の苦労は家族で共有を!

かつては「お金の苦労は子どもに見せない」という風潮がありましたが、個人的には、家計の話はどんどんして、家族で共有した方がいいと思っています。

「うちの家計は大赤字」とつぶやいた親の言葉を聞いて大学は国立に入ることを決めた子がいたり、高校時代はアルバイトをして家からおこづかいをもらわなくなった子もいます。また、親のお金の使い方までチェックする家計簿男子になった子もいます。

月極めのおこづかいを渡すタイミングで、毎月、家族で家計会議などをやってみるのもいいかもしれませんね。


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