春先に単衣を着る人が増えているとは言え、4月にあまりにも涼やかな素材や色の小物を合わせると、ちょっと浮いてしまいかねません。そこで、4月、5月、6月それぞれの月にオススメの小物合わせをご紹介いたします。
4月の単衣コーディネート例
着物はグレー地に白い絣で大小の円が織り出された紬の単衣です。紬ですので、普段着となります。単衣と分かる様に袖の振りをこちらに向けて撮影しています。帯: 更紗のパッチワークの名古屋帯
半衿: 様々な模様が市松取りに浮き織りで表された白衿
帯揚げ: 黄緑色とベージュグレーで暈し染めされた縮緬地
帯締め: 白に近いグレーの丸組
4月はいくら気温が高いとはいえ春を代表する月ですので、春らしい色合いの小物を合わせると周りとは浮かないでしょう。半衿は塩瀬の衿よりも地紋のある、こういった浮き織りのものの方が凹凸がある分、肌に触れる面積も少ないので汗でベトつかず首回りも快適です。
また、日が落ちるとまだまだ寒い季節です。洋服用でも結構ですので春もののストールやショールを羽織ると良いでしょう。
5月の単衣コーディネート例
帯: 更紗のパッチワークの名古屋帯※4月の帯を逆巻きで締めたもの半衿: 緑色で暈し染めされた大きなシボのふくれおり地
帯揚げ: 鮮やかな青色の縮緬地
帯締め: 片身替わりの変わり組
5月は初夏の爽やかさを感じる事が日々増えてゆく月。新緑や五月晴れを思わせるような差し色も素敵です。半衿は大きめのシボで凹凸があり4月と同じ理由でおススメです。また、5月も日中と夜の気温差がありますので、薄手のストールなどが役立ちます。
6月の単衣コーディネート例
帯: 生成りと藍で格子が織り出された趣味性の高い八寸帯半衿: 撫子の地紋が織り出された揚柳
帯揚げ: 軽みのある紬の風合いを持つ青と緑の染め分け
帯締め: ベネチアングラスの組み出し紐
6月はいよいよ単衣の本番。昔から単衣に合わせていた揚柳の半衿は縦シボが特徴です。やはり凹凸がある事で肌触りが良く快適です。
梅雨に入り湿度も上がり雨も多いこの月は「麻」の夏物を着るという方も...こちらも今回の内容と同じ理由でその日の天候や体調に合わせての選択です。
「単衣を着る時期が早い」と指摘されたら?
もし他の人から「まだ単衣の季節じゃないわよ」と言われたら恥ずかしいと思っている方へアドバイスです。そんなときは「知っているんですけど今日は暑くて……単衣にしちゃいました」と言えば良いと思います。その方も意地悪で指摘したのではなく、「知らないなら教えてあげなくちゃ!」という思いからでしょうから、「教えていただいてありがとうございます」という感謝を伝えれば尚良いでしょう。
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