ジャーマンブランドにほぼ比肩、そこに伝統の付加価値も……
前方車両をレーザーセンサーで監視、自動でブレーキをかけることで衝突を回避/軽減させるシティ・セーフティを標準装備。正面から衝突した歩行者の負傷を軽減させる、世界初の歩行者エアバッグもオプションで用意される
直噴システムやバルブトロニック、ツインスクロールターボなどを備えた、1.6リッターターボの1シリーズ。ブレーキエネルギー回生システムやアイドリングストップなども備え、10・15モード燃費は116iが17.6km/l、120iが17.2km/l
V40は、前アシの踏ん張りの良さと後アシの追従性の高さで、軽快なフットワークをみせる。にわかにスポーツイメージを打ち出したAクラスと互角の楽しさだ。走りが自慢のアルファロメオジュリエッタ+左ハンドル仕様には少し負けるが、右ハンドルのコンペティツィオーネとの対決であれば、同等かそれ以上のファンを提供してくれる。
Aクラスが優れているのは、しっかりとしたボディとよく練りこまれたアシまわり、そして制御をリファインした7速DCTの共同作業による、硬質で安定感のある走り味だが、いかんせん低速域での乗り心地が未だ洗練されていない。たしかに、V40にも若干、同じような傾向がみうけられたものだが……。
ちなみに、プレミアム系が荒れがちな低速での乗り味を含めて、オールマイティに高い完成度を誇っているのが、新型フォーカスであったことを報告しておこう。ライドフィールの総合評価では、ゴルフ登場前の暫定一位という素性の良さであった。
ファンという点で1シリーズに一歩譲るものの、ダイナミックパフォーマンスとデザインなどプレミアム性の表現で、総じてジャーマンブランドとほぼ肩を並べたV40。これに、最新レベルの装備によって対歩行車レベルまで徹底的に磨きあげた安全性という、伝統の付加価値がつくとすれば……。
そして、269万円~という、業界衝撃のスタートプライス!
スカンジナビアンデザインという古くて新しいアピールを積極的に打ち出した“安全で多彩なボルボ”は、プレミアムカーの新たな潮流として、これまで以上に幅広い支持を集めることになりそうだ。