ポルシェ/ポルシェ

911は4輪駆動で最も素直で快適で安心に

タイプ991に進化したポルシェ911に4WDモデルが登場。極上のグランドツーリングカーっぷりにさらなる磨きをかけ、これまでのどの911よりも、素直で快適で安心で、しかも楽しいドライブフィールでした。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ワイドボディのアピアランスが格好いい!

ポルシェ911カレラ4S

3.4リッター水平対向エンジンを積むカレラ4(MT 1265万円、PDK 1340万円)とカレラ4カブリオレ(PDK 1484万円)、3.8リッターのカレラ4S(MT 1534万円、PDK 1609万円 写真)とカレラ4Sカブリオレ(PDK 1774万円)をラインナップ

個人的に、RRというパッケージにさほど興味のない筆者にとって、911はカレラ2に限る、という想いなどほとんどなく、もうずいぶんと前からカレラ4がいいな、と思っていたクチである。理由は単純で、その方が不安なく高速クルーズできるし、何よりワイドボディのアピアランスが格好いい!

ポルシェ911(タイプ964)

量産モデルとして初の4WDモデルとなるタイプ964

911の4輪駆動……。その歴史は、1984年に“パリダカ”参戦を果たした「タイプ953」と、そのグループB規定ロードカー「959」に端を発するが、カレラ4というモデル名がスタートしたのは、'89年に登場したタイプ964の911が最初であった。

RRという“特殊”なパッケージングは、エンジンパワーの上昇とともに適切なトラクションの確保という大命題をエンジニアに与え続けたわけだが、ポルシェの開発陣は、2駆のままシャシーと電子制御で増大するパワーに対応する道と、4輪駆動として全天候型オールマイティGTスポーツを目指す道の両方を、タイプ964から採りはじめたというわけだ。
ポルシェ911カレラ4S

2WDモデルと比べリアのホイールハウスを左右22mmずつ拡大。タイヤサイズも10mmワイドになっている

最新モデルのタイプ991シリーズにも、993以降の911の4輪駆動モデルと同様に、カレラ4とカレラ4Sの2モデルが、クーペとカブリオレの両方に用意されている。カレラ2系との差は、見ためにも明らか。なんと、リアフェンダーが44mmもワイドになり、テールランプの間を細長いガーニッシュで結ぶ。フロントバンパーも新デザインだ。

2駆のカレラと同様に、350psの3.4リッターモデル/カレラ4と、400psの3.8リッターモデル/カレラ4Sの2系統を用意した。いずれもボディ形状は同じ。今回の取材車両はカレラ4Sである。
ポルシェ911カレラ4S

メーター内に4WDの前後トルク配分状況を確認できるメニューが加えられた。また4WDモデル登場に合わせ、前車との走行距離を一定に保つアダプティブクルーズコントロールをオプションで用意している

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