ポルシェ/ポルシェ

クルマ好きの最終目標、スポーツカーといえばポルシェ

世界中のクルマ好きが憧れるスポーツカー、911を擁するスポーツカーブランドのポルシェ。近年増やしてきたSUVのカイエンや4ドアサルーンのパナメーラにもデザイン的関連性が見られるように、911がブランドの要諦を成している。そのブランドDNAには、単なるスポーツカーメーカーという以上の“何か”がある。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

憧れNO.1スポーツカー、911シリーズ

ポルシェ356

フェルディナンド・ポルシェが1931年に開設したデザイン事務所に端を発するポルシェ。1948年にはポルシェの名前を冠したスポーツカー、356が登場している

世界中のクルマ好きが憧れるナンバー1スポーツカーといえば911シリーズ。それを長年に渡って生産しつづけるブランドとしてポルシェ人気は大きくなる一方だ。

近年、ミッドシップモデルやクロスオーバーSUV、さらには4ドアサルーンとモデルカテゴリーを増やしてきたが、911がブランドの要諦を成しているという事実には変わりはない。それゆえ、SUVのカイエンにも、4ドアサルーンのパナメーラにも、911とのデザイン的な関連性がはっきりと見てとれる。

技術だけではない“何か”がある

ポルシェ918スパイダー

2011年に世界限定918台で販売されるプラグインハイブリッドスポーツカーの918スパイダー。最高出力500ps以上のV8エンジンに合計218ps以上となる2つのモーターを組み合わせる。価格は68.48ユーロ

確かに、息子フェリーによるポルシェ社のビジネスはビートル設計をベースとする安価なスポーツカーで始まり、911へと至った。けれども偉大なる父フェルディナンド・ポルシェ自身は、安価な大衆車(後のビートル)構想をはじめ、電気自動車やハイブリッド車など、今なお通用するコンセプトを実現しており、自動車の黎明期に生まれた大天才の1人であったことは間違いない。彼が設計した一連の戦前メルセデスは、モータースポーツシーンでも大活躍した。

そう、ポルシェというブランドのDNAには、単なるスポーツカーメーカーという以上の“何か”がある。それが原動力となって、世界中から愛されるクルマが生まれてくるということだと思う。ただ技術を駆使さえすれば、同じようなものができるというもんじゃない。

他のクルマに乗れなくなるほどの完成度

ポルシェ911シリーズ

1963年に901として登場、翌年に911として生産が始まった主力モデルの911。2004年にモデルチェンジを果たした現行モデルで6代目となる。2011年5月現在、国内では21モデルが販売されている

ポルシェ(特に911)に乗るということは、大方の人にとって、自動車の最終目標のようなものだ。かくいう筆者も、最後のクルマは911だと決めていて、今はまだ買わずにいる。なぜか。ポルシェに乗ってしまうと、他のクルマに乗れなくなってしまうからだ。それほど完成度が高い。911にハマってしまう前に、もっといろんなクルマに乗っておきたい。そんなことを思わせるほど、フェラーリとはまた違った意味で、強力なブランドである。クルマ遊び人にとっては、実に本妻的な存在かもしれない。

何に乗っているの? と聞かれて、フェラーリやランボルギーニと答えるにはどこか躊躇いがあるけれど、ポルシェという分には、自慢と世間体がほどよく高めにバランスされていて、堂々と言いやすい。それもまた、ブランド力のなせるワザ。ポルシェ乗りは、だからつくづく幸せな人たちだと思う。いつかはそうなってみたいものである。
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