タルガは軟派なポルシェ?

911の4WDモデルに共通する、911カレラよりも44mmワイド化されたリアフェンダーを持つ。カレラと同じく、LEDを用いたテールランプや、リアガーニッシュが採用された

不景気で自動車メーカーが軒並み大幅減益を伝える中、ポルシェの業績は好調を維持の模様。これも世相を反映する一面だと思いますが、いかなるものでも評価されるからには、それ相応の理由があるはず。ポルシェの場合、これまで築き上げてきた絶対的なブランド力という強さはあるにせよ、その上にあぐらをかかず、しっかりとマーケティングを行ない、商品力を高めてきたことで、ますます強くなってきたように感じています。

ただし、近年のポルシェはマーケットの趣向に少なからず迎合する側面もあり、ソフト路線を進んでいる感は否めません。旧来の硬派なポルシェファンからすると、豪華で甘美なクルマになっていくポルシェを見るにつけ、けっして喜ばしくなく思う気持ちもあることでしょう。

タルガは、いわばそんな「軟派」なポルシェを象徴するモデルかもしれません。しかし筆者もまた、今のポルシェの全ラインアップの中で、もっとも欲しいと思うのは、ターボやGT3ではなく、このタルガ4Sなんです。

かねてより日本に導入されるタルガはティプトロニックのみの設定だったが、以降は7速PDKのみとなる。価格:タルガ 1466万円、タルガ4S 1681万円(写真)

かつてタルガというと、太いBピラーと脱着可能なハードトップを備えるというボディ形状をとなっていました。ところが、空冷最後のタイプ993からは、大きなサンルーフのようなパノラミックルーフシステムが与えられ、それがタルガのスタイルとなりました。

ただし、かつてタイプ993までのタルガはカブリオレがベース。よってボディ剛性面で少なからず難があったのも事実。しかし、タイプ996以降ではカレラと同じクーペボディがベースとなりました。これにより走りに見られたネガティブな部分がほとんど感じられなくなったのは大きな進歩でしょう。これも筆者がタルガをイイと思う大きな要因のひとつです。

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