歌も踊りも濃い!フランスミュージカル
最近、気になって仕方がないのがフランスミュージカル。ミュージカルといえば、アメリカ、イギリスが本場というイメージですが、ここ10年ぐらい、フランスで作られたミュージカルに世界的ヒットが相次ぎ、新たな流れが作られています。日本でも昨年から上演が相次ぎ、私たちミュージカルファンをワクワクされてくれます。フランスミュージカルって私の感覚では、バイキング料理みたいなもの。いろんなテイストの料理をあれもこれもと食べて、それぞれがレベルが高くて、もうおなかいっぱい!だけどデザートは別腹だからまた食べちゃう。この120%の満腹感が癖になる…みたいな。
具体的にいうと、歌も踊りも濃くて上質、激しくショーアップされている感じ。物語を繊細に紡ぐ演劇的側面よりも、思い切りダイナミックなショーをお見せしましょう!というエンターテイメントの心意気を感じます。フランスはもともとグランド・オペラ(大掛かりな舞台装置と演出からなり、必ずバレエが入る)が栄えています。その流れがミュージカルに影響しているといえるでしょう。
W主演で盛り上がった『ロックオペラ モーツァルト』
今年になって私が狂喜乱舞したのが、1月に上演された『ロックオペラ モーツァルト』。まず楽曲が凄まじいです。“ロックオペラ”と称するだけあって、派手なロック、耳馴染みのよいポップス、クラシックの歌手が歌い上げるオペラ、そこにモーツァルトの楽曲が入り交じって、大きなうねりを生む。ミュージカルの音楽はもともとバラエティに富んでいるものですが、その振り幅をグイグイ広げて、もう何でもあり!という大胆さで楽しませてくれました。中川モーツァルトと山本サリエリ。
美術も衣裳もゴージャス!
『ロックオペラ モーツァルト』
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