マネジメント/組織マネジメントとは

組織の7S~その4「組織(Structue)」(後編)(2ページ目)

「組織の7S」3つ目のS「組織(Structue)」の後篇は、代表的な組織のモデルパターンの解説を、最近時の新聞紙上で話題になった組織変更をひきあいにして分かりやすくお話します。パナソニックの2000年以降の二度にわたる組織変更はなぜおこなわれたか、アップル社はなぜ日本の家電メーカとは違う組織管理の下で発展を遂げることができたのか。さまざまな組織にまつわる疑問は理論を下に考えれば明確になってきます。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド


アップルとパナソニック、それぞれの組織構成には理由がある

他方、アメリカのアップル社はその組織図を見る限り、機能別組織の組織体制をとっています。これは、同社が他社の追随を許さない強い製品開発力を持っていることと、故スティーブ・ジョブズ氏と言う稀代のマーケッターをそのリーダーとすることで、組織はマーケティングよりも効率性を重視することが、同社の発展により寄与するであろうとの判断に基づいたものと考えられます。ジョブズ氏亡き後の同社の今後は、戦略と組織の大転換に迫られる可能性があるかもしれません。

さてパナソニックに話を戻すと、同社は01年に一度その伝統的な組織形態である事業部制を廃止しています。理由は、組織効率化の向上のためでした。しかし今般、テレビ部門の赤字を筆頭とした過去にない苦しい経営環境を踏まえて出した結論が、事業部制の復活でした。利用者ニーズの把握不足による技術開発偏重が今の苦境をもたらしたとの考えに基づく戦略的転換を受けてのものなのです。

パナソニックの組織形態の再変更が吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、戦略の変化に応じて変更可能な組織の柔軟性を持ち合わせているという点では、「組織は戦略に従う」を実践できる組織であると評価できます。戦略の評価を脇に置くなら、今回の選択そのものは戦略に従った組織のあり方として正しい流れであると言えるでしょう。

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