カフェ/関東のカフェ

CAFE SORTE(カフェソルテ)…埼玉県日高市(4ページ目)

インターネット通販の小さなコーヒーロースター、CAFE SORTEが古い蔵を改装して実店舗をオープンしました。店主は書籍『コーヒーピープル』でご紹介した女性焙煎人、近藤佐代子さん。彼女がロースターを始めるまでの歩みと、誕生した蔵のカフェをご紹介します。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

バリスタ修業はバンクーバーで

改装前の蔵のたたずまい。

改装前の蔵のたたずまい。

留学から戻ってくると働いて資金を貯め、就労ビザを取得してカナダに渡った。そしてバンクーバーのカフェで、四年間バリスタとして働く。でも、なぜバンクーバー?

「それは日本語教師をめざしていたとき、養成講座の実習生としてバンクーバーの公立セカンダリースクールで学んだから。自然の豊かな環境と、そこで出会った人々の心の純粋さに魅力を感じていました」

バリスタの仕事は厳しかったが、近藤さんはコーヒーをより極めたいと考えた。当時まだ少なかった焙煎講座を探しまわり、サンフランシスコでプロバットの焙煎機を使った三日間の講座に参加した。

「焙煎機に触れたとき、本能的に『これだ!』と感じたんです。焼きあがった豆がざざっと出てきたときはもう感動して、無条件にこの仕事をしたいと思ってしまった」

理屈では説明できない決心だった。
改装前の蔵の扉。

改装前の蔵の扉。

文字から得る知識だけではなく、からだを使って五感でコーヒーを体験したいという想いは、やがてハワイ島のコーヒー農園生活に近藤さんを導いていく。島の大地に自分自身が癒される日々は、焙煎に対する姿勢のベースをつくった。  
いま、近藤さんは風光明媚な埼玉県日高市にもとめた自宅の古い蔵を焙煎スペース兼カフェにしようと、秀幸さんや友人たちの協力を得てこつこつと 修復をつづけている。カフェには料理上手な育子さんのつくるスコーンも並ぶ予定だ。
母の育子さんがつくったスコーン。大きい!

母の育子さんがつくったスコーン。大きい!

自由な生きかたを許してくれる母に感謝していると近藤さんは言う。 自分のなかに芽ばえた好奇心を摘みとらず、大事に育てていく生きかた。自然の力に感応すること。カフェソルテのコーヒーのおいしさは、そんな喜びを教えてくれる。

改装した蔵は…次ページへ。
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます