小さなロースターを開いた近藤佐代子さんのコーヒー・ヒストリー
CAFE SORTEのコーヒー豆袋と、ハンドピックで取り除いた豆を入れたガラス。
2013年、改装を終えた蔵は焙煎工房、および小さなカフェとしてオープン。今回の記事は『コーヒーピープル』でたどった近藤佐代子さんのコーヒーの道のりと、新しく誕生した蔵のカフェをご紹介します。
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焙煎前の生豆と、焙煎した豆を並べて。
そういう根気と、思いきりのいい決断と、行動力の三つの歯車が噛みあって、近藤さんの人生を前進させてきた。「ラベルづくりは僕が手伝ってもいいんだけど、彼女は完全主義だから、ちょっとでも曲がるとやり直しをさせられそうで」と夫の菅野秀幸さんは笑う。
ふたりの仕事には植物という共通点がある。菅野さんは造園デザインを手がけており、近藤さんはかつてハワイ島コナ地区にある小さなコーヒー農園に三ヵ月間ホームステイして、コーヒー栽培のお手伝いをしていた。
ハワイ島のコーヒー農園で育てたもの
近藤さんが滞在したハワイ島のコーヒー農園。
農園には若木も、樹齢百年になる古木もあった。収穫期には実を一粒ずつ手摘みするので、枝が伸びていくかたちをイメージしながら、摘みやすい高さと方向に剪定する。
「コーヒーの樹は、栄養が不足してくると、葉を枯らしてでも実に栄養をいきとどかせようとします。熟したコーヒーチェリーは、樹のエネルギーの集大成なんですよ」
近藤さんのハワイ生活は次ページで。