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相次ぐ好成績日本株ファンドの新規募集停止

2013年に入ってからは、日経平均株価の上昇率が際立っています。皆さんが保有している投資信託の運用成績も、含み損が大幅に改善、含み損から含み益に転じた。あるいは、含み益が大幅に増えた等々、投資信託を取り巻く環境は経った3カ月の間に激変しました。そんな中、日本株を投資対象とする好成績ファンドのいくつかが新規募集の停止に踏み切ったのです。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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同時期に2本の投信が新規募集停止は記憶にない

同時に2本の投信が新規募集停止

同時に2本の投信が新規募集停止

日本株の上昇に懐疑的であった人も、日経平均株価の急騰を目の当たりにすると、バスに乗り遅れるな!的な衝動に駆られてしまうのではないでしょうか。あるいは、既に投資を行っていた人であれば、含み損が含み益へとプラスに転じたことから、損しないうちに売っておこうと売却してしまった人も少なからずいるようです。

約3カ月の間に、日経平均株価は8600円台から12300円台まで駆け上ったのですから、ここからの株式投資は銘柄の選択眼が試されるようになってくるような気がします。個別銘柄の選択眼に自信のない人は、投資信託などの活用を考えられるのでしょうが、好成績を期待するならば、アクティブ運用スタイルの投資信託を選ぶべきでしょう。

しかしながら、日本株ファンドで好成績の実績があり、かつ専門家の評価が高い投信である2本のファンドが相次いで新規募集を停止してしまったのです。その2本は、JPモルガン・アセット・マネジメントの「JFザ・ジャパン(3カ月決算型を含む)」、DIAMアセットマネジメントの「DIAM新興市場日本株ファンド」です。

筆者は長いこと投資信託をウオッチし続けていますが、日本株ファンドが2本も新規募集停止になったことは記憶にありません(もしかしたら、筆者の勉強不足かもしれませんが)。ただし、自動継続コースによる分配金での再投資、自動購入サービス(積立による購入)に関しては、継続購入は原則可能となっています。

質を守るのであれば純資産総額の拡張は反対

日本株ファンドが活況を呈したのは、1999年から2000年にかけてのIT バブル依頼のように思えてなりません。当時の日本株ファンドの1年騰落率は、軒並み100%を超えており、ベスト3ファンドの騰落率は400%を超えていたはずです。その局面でさえ、日本株ファンドが2本も新規募集停止となっていなかったはずですから、見方を変えれば足元の日本株の急騰はスピード違反と言える状況なのかもしれません。

共に新規募集停止になった理由は、純資産総額の上限近くまで資金流入が迫って来たからです。JFザ・ジャパンは1000億円、DIAM新興市場日本株ファンドは80億円が純資産総額の上限です。DIAM新興市場日本株ファンドの80億円はかなり少ないと思われるかもしれませんが、新興市場の株だけで運用し、かつ継続して好成績を続けるためには余り純資産総額は大きくないほうが、小回りが効いて機動的に動けるからです。

つまり純資産総額は、目論見書にうたっている運用スタイルで運用を続けて行くための上限金額とみなすことも出来るのです。純資産総額は変更する(今回のケースであれば増額)ことも可能ですが、今までと同じような運用成績を上げ続けることが出来るのであれば、純資産総額を増やしてもよいでしょう。余談ですが、インデックスファンドや先進国の外債ファンドなどは、投資対象の資産規模(時価総額)が大きいので、純資産総額を増やしても運用成績に与える影響か軽微なはずです。

反対に純資産総額を増やしたばかりに、運用成績が低迷するようでは、クオリティ(質)が劣ることになり、これまで投資を続けてくれた投資家の期待を裏切ることになってしまうのです。資金流入が続いているのですから、営業的には純資産総額を増やしたいと思われますが、投資家の事を考え、クオリティを大切にするのであれば、今回のように新規募集停止に踏み切るのが良いと思われてなりません。

筆者は新規募集を停止した2ファンドの決断は大英断と思いますが、仮に期待を裏切り純資産額を増やしたならば、2つのファンドの評価を下げたいと思います。購入できていない投資家に申し訳ない気持ちもありますが、投資信託の評価を高めるために2つのファンドはクオリティの追求を極めて行くべきだと思われてなりません。

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