海外REITの利回りは国内REITを下回る

REITにうまく投資するためには……

REITにうまく投資するためには……

国際分散投資、あるいはポートフォリオ運用という資産運用はひとまず横におき、海外資産に投資する意味を改めて考えてみましょう。同一の資産クラス、たとえばREIT(不動産投資信託)であるならば、期待収益率やリスクなどを比較したうえで、国内REITがいいのか、海外REITがいいのかを考えるはずです。

仮に海外REITの期待収益率が国内REITと同じ、あるいは国内REITよりも低ければ、大概の人は海外REITに投資することを控えると思われます。なぜなら、海外REITに投資する場合は、為替リスクがあるうえに、往々にして国内REITに投資するよりも投資コストが高くなってしまうからです。

この資産クラスの選択の考え方はあくまでも一般論、しかも一部分について述べたに過ぎないのかもしれませんが、異を唱える投資家は少ないと思われます。まさに、足元の海外REITは、国内REITよりも配当利回りが低いという状況に陥ってしまっているのです。正確には、個別REITではなく指数ベースの比較になるのですが、具体的に比較してみましょう。

海外REITは為替差益を含む値上がり益期待で投資を

海外REITを投資対象とする投資信託では、ベンチマーク(または参考指標)として「FTSE NAREITEquity REITsインデックス配当利回り(若干表記が異なるケースあり)」を使用しているファンドがかなり多く見受けられます。代表的な海外REIT指数と思われますが、平成25年1月31日現在の同指数の利回りは3.6%前後です(前後としているのはファンドのマンスリーレポートにより若干異なるためです)。

筆者は複数の海外REITファンドのマンスリーレポートで「FTSE NAREIT EquityREITsインデックス配当利回り」を毎月確認しているのですが、この1年はREIT価格の上昇などにより、配当利回りは緩やかな低下傾向にあると言えます。配当利回りが緩やかに低下している詳細な背景は専門家に任せるとして、意外と低い利回りだと思われた投資家が多い気がしてなりません。

海外REIT=高配当利回りという意識が、私たちの頭にインプットされているからかもしれません。この3.6%前後の利回りは、全J-REIT平均配当予想利回り4.09%(平成25年2月25日現在)を大きく下回っているのです。ちなみに、東証REIT指数連動のETF(2 本が東京証券取引所に上場)と比較してみると、NEXTFUNDS東証REIT連動型指数上場投信はかなり上回り(配当利回り2.80%)、上場インデックファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型は下回る(同3.75%)という状況(共に平成25年2月25日)なのです。

海外REITに投資する意味は、国内REITよりも期待収益率が高いということがインセンティブになるはずです。しかし海外REITに至っては、配当利回りだけに着目すれば、積極的に投資する合理性が浮かんでこないと言わざるを得ないのです。

あくまでも指数ベースで比較すれば、足元、海外REITに投資するインセンティブは、配当利回りよりも売却益期待、あるいは為替差益期待で選択するというのが自然な投資スタンスと思われてなりません。

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