乾いた薪を手に入れよう
薪をくべる楽しさは、他に代え難いものです。生まれて初めて薪を燃やした若い所員も、半年もすればすっかり名人になり、自分のノウハウが一番だと自慢するそうです |
鹿討さんが設計する住宅の大半に煖炉があります。なんと沖縄に建てた家にもあるそうです。最初は付けるつもりがなかった建主も、鹿討さんの事務所で煖炉を体験すると、自分も欲しいと言いだすとか。
では、薪の手配はどうすればいいのでしょうか。いま薦めているのは、リフォーム業者と仲良くすることです。廃材として木がでる量は、植木屋や新築木造住宅の方が多いのですが、それだとまだ生木なので、乾燥させたり割ったりする手間が必要です。
リフォーム業者が出す木の廃材ならば、十数年経っていますから充分に乾燥しています。新築住宅から出る木材も、まだ乾いていないことが多いのです。乾燥していないと火の付きが悪かったり、煙が大量に出たりまします。業者にとっても廃材処理にはお金がかかるので、事前に連絡をとっておけば、無料で譲ってもらえる事が多いようです。
煙突はとにかくまっすぐに
真っ直ぐに伸びた煙突。現在はステンレス製のパイプを使っています |
煙突はとにかく真っ直ぐに、曲がる回数を少なくするのが大切です。曲がる回数が多いと、煙の排出が悪くなり部屋に充満する原因になります。煖炉の煙突は上昇気流によって、煙を外にだします。外気の冷たさと、熱い煖炉の熱の温度差によって上昇気流がおこります。
煙突が壁を通過する部分には、めがね石と呼ばれる、熱の伝わりにくい軽い石(煙突の穴が空いている)を取り付けます。煙突もかなりの高温になりますから、木部と触れるところには注意が必要です。煙突には煤を掃除するためのハッチを付けておきます。半年に1回ほど煤を掃除します。
DIY感覚でつくる「ピザ焼き釜」
耐火煉瓦を積んだピザ焼き釜。本格的なピザが焼けます(写真提供:ナイト・スタディ・ハウス) |
屋外で食べるピザがまた格別です |
昨年の春、鹿討さんの事務所で、ピザパーティを開催させていただいたことがあります。ピザの具をテーブル一杯に並べて、手作りのピザ生地に思い思いの具をのせて焼きました。ピザの美味しさもさることながら、薪で焼くということがとても楽しい思い出になりました。
火を囲むことで、和やかな会話が生まれます。そして知らない者同士がすぐにうち解けたり、心の壁を溶かしていくような作用があります。どんな形でも構いません。生活に火を楽しめる空間を設けてはいかがでしょうか。
[取材協力]
建築家・鹿討直治 ドゥ・アーキテクツ
ドゥ・アーキテクツは、住宅設計の他、ガーデニングも手掛けています。また事務所のガーデンやリビングを、パーティや撮影用に一般に貸し出しています。ご興味のある方は連絡してみてください。