中目黒の住宅街で煖炉です

煖炉1
煖炉の火を眺めているだけで、心が落着いてきます。寒い朝も気持ちがあったかくなってくるようです。互いに言葉を交さなくても、豊かな時間を共有できます

12月の寒い朝。建築家・鹿討直治(ししうち なおはる)さんの事務所を訪ねました。鹿討さんが主宰する ドゥ・アーキテクツは、渋谷に近い中目黒駅から徒歩約10分、諏訪山の閑静な住宅街にあります。

実は鹿討さんの事務所には、15年前から活躍する煖炉があります。冬場は毎日のように薪を燃やします。もちろん今日も赤々とした火が燃えていました。でもここは都心の住宅地なのです。

この煖炉の仕組みは簡単で、耐火煉瓦と鉄板で作ったオリジナルの煖炉と、直径約20センチの煙突だけで出来ています。実は、このシンプルさが鹿討さん設計の煖炉の魅力です。

煖炉ではなく、室内で焚き火を楽しむ感覚

たのしむ
薪をいじっていると、それだけで楽しい時間が過ごせます
海外からの輸入煖炉には、100万円以上する製品もあります。さまざまな機能がついたものや、デザインの美しいものも多くあります。しかし火を燃やす点では、どの煖炉も同じです。煖炉の魅力はやはり燃える炎なのです。

煖炉を主な暖房器具として考えるか、楽しみとして考えるかで、選択肢も変ってきます。鹿討さんは、暖房器具というよりも焚き火の延長線といいます。幼い頃友達と遊んだ焚き火を部屋の中で出来たら楽しい、と思いついたのが煖炉を作るきっかけだそうです。

もちろん煖炉特有の輻射熱で、部屋はとても暖かくなります。しかし、主な暖房器具として煖炉を考えてしまうと、熱効率をきちんと計算し、薪の手配も計画的にする必要があります。この煖炉は、あくまで火を楽しむための道具なのです。

効率優先の煖炉との違い

たのしむ
煖炉のための道具。火ばさみやフイゴ、シャベル、マッチなど
鹿討さんは独学で煖炉の仕組みを学んだそうです。煖炉本体を製作したのは、鉄製の看板を作る職人で、煙突には空調換気用の配管を使いました。この煖炉が通常と違うのは、幅が狭く、奥行きが広いことです。

暖房の効率を考えると、奥行きを浅くして、幅を広くした方が部屋は暖まります。しかし、薪が手前に倒れてしまったり、煙が室内に漏れやすかったりと、なにかと気を遣います。奥行きを深くすれば、薪をくべるのも楽になり、安全性も増すのです。

なんだかワクワクしてきませんか? でも煖炉自体が手軽に作れても、薪の手配はどうすればいいのでしょうか? 煙や煤の心配はないのか。そんな疑問にお答えします。

次のページで、画期的な薪の入手方法を紹介。