住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのポイント

動線次第で家が変る。おすすめは回転動線(2ページ目)

住宅のプランニングを考えるとき、最も大切になるのが「動線計画」です。動線ってなんでしょう。基本的な事柄から実際のプランニングのコツまで解説します。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

階段を中央にした回転動線の例

回転動線2
階段を中心とした回転動線の例。各部屋を効率的に配置することで、書斎を作るスペースも生まれた

こちらも2階をリビングにした例です。中央に階段を設け、そのまわりにキッチン、ダイニング、リビング、寝室、子供部屋、書斎、トイレ、洗面を配置しています。

このプランのポイントは寝室です。寝室だけは個室にしてもいいのですが、廊下の面積を節約したい場合は、通り抜けできるようにして、引き戸で仕切る方法もあります。寝るときは人の動きも少なくなりますから効率的です。

またリビングでは、動線がテレビの視界をさえぎらないように注意してプランしましょう。

父の働く姿が見える、子供部屋とつながる書斎

こちらのプランも子供部屋をオープンスペースにしています。さらに父親のための書斎が設置されています。子供部屋と書斎は壁ではなく、なるべくカーテンや引き戸で仕切りましょう。子供が父親の仕事姿を感じることは、社会性を育てるためにも重要です。

書斎には造り付けのカウンターをつけて、下にワゴンを置くと便利です。カウンターの上から10センチ位の所にライトダクトを付けておくと、どこからでも電源がとれて、ノートパソコンなどを使う際に有効です。

ちなみにミース・ファン・デル・ローエの名作住宅「ファンズワース邸」も、一種の回転動線でプランされた住宅といえます。回転動線の家は住人の生活を活発にし、社会性のあるオープンな開放感を与えます。

ただし、比較的正方形に近い住宅であることが条件になるので、細長い家や、L時形の家では実現が難しい事もあります。そういう条件の家はどうしたらいいか?次回は「家事動線」についてお伝えします。

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