住宅設計・間取り/住宅設計・間取り関連情報

夫婦二人の、わがままシアターライフ

熟年離婚が増える中、成熟した夫婦の生き方が問われています。秋の葉山。ホームシアターを中心として、活き活きとした人生を送る、ひと組の夫妻を取材しました。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

秋が来て、充実した実りを得るために

シアター
葉山のホームシアターショップ「カデンツァ」。2階のシアタールーム。140インチの大画面が楽しめる、現在最高の機器が揃えられている。

前回
は、新築が夫婦の危機につながる可能性についてレポートし、大きな反響を頂きました。今回は、定年後の生き方をどうするか、その成功例をご紹介します。

最も進化したインテリアビジネスの姿

和室
3階の和室。ひと目では分らないが、和室で音楽を楽しむための機器が詰まっている
大手家電メーカーで、ホームシアター事業部長をつとめた峰松啓(63歳)さんは、6年前、長年あたためてきた職住一体のホームシアターショップ「Cadenza(カデンツァ)」をオープンしました。オーディオ機器のショップというと、機械だらけに思えますが、ここはまったく違います。機械の姿が全く見えない、和室のオーディールームなど、今までのオーディオビジュアル(AV)のイメージをくつがえす提案があります。

実はカデンツァには、最も進化したインテリアビジネスの姿があります。インテリアやホームシアターに対してお客様が求めるのは、<物>としての商品ではありません。ゆったりと寛げる時間や、質の高い映画や音楽を楽しむ体験なのです。それを実現したショップは日本には少ないのですが、カデンツァはホームシアターというスタイルで、現実のものにしています。

「オープンしたての頃は、経済的にも仕事的にも大変だった。そしていまも大変です」と峰松さんはいいます。ホームシアターの仕事は、首都圏各地の現場をまわる日々が続きます。留守を守る奥様にも、休日はほとんどありません。でもお二人の人生はとても充足しているように思えます。

充実するほど、生活と仕事の境がなくなっていく

1階"
1階の広間でお客様を接客する。ホームバーがあり、著名人もときより訪れる。蓄音機やオルゴールなど、マニア心をくすぐるアイテムも揃えている

ダイニング
3階のリビングダイニング。奥にはオープンキッチンがある。海を見ながらの食事は、とびきりの美味しさ
好きなことを仕事にすることは、理想のように見えて大変なことです。それにあえて挑戦した峰松夫妻から感じられるのは、お客様に対する徹底したホスピタリティです。1階の広間はモダンクラシックな空間で、ゆったりとした気持ちで打ち合わせを進められます。

仕事とプライベートを分けることはもちろん大切です。しかし自宅兼ショップを運営する峰松夫妻にとって、その境は非常にあいまいです。プライベートのダイニングキッチンも、なじみのお客様には開放し、食事を共にすることもあります。そこからは美しい葉山の海が望めます。

1階では、親交のあるミュージシャンを招いたミニコンサート(ハーモニカ奏者八木のぶおさんなど)も開かれています。また峰松さんは地元ラジオ局(湘南ビーチFM)のDJも担当するなど、地域と密着したコミュニティーがカデンツァの財産なのです。

生きることとビジネスが一体となった暮らしこそが、充実した大人のライフスタイルといえるのではないでしょうか。成熟したインテリアプランは、そこに暮らす家族のためだけでなく、社会に開かれた存在になることかもしれないと、今回の取材で痛感しました。

次のページで、大人の夢のかなえ方をレポート。
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