夢が一転。最悪の事態に………

夫婦
家づくりは暗中模索。手をつないでしっかりと、一歩一歩進みます。
新築後数年間で離婚にいたるケースは珍しくありません。新居でのストレスや家庭環境の急激な変化は、夫婦の関係を悪化させる原因になります。それを防ぐためには、新築のプランを立てるときの、充分なコミュニケーションが不可欠です。

設計者が一番おそれる建主は、意外にも<お任せ>する人です。「私は妻(夫)に任せてますから、妻(夫)に聞いてください」という建主ほど、あとでトラブルになる事が多いのです。任せるというのは「不満や間違いがあったら責任取ってくださいよ」という事と同じです。

夫婦のどちらかが<お任せ>の態度をとっていては、決していい家は建ちません。責任回避でしかないからです。プランニングを進める前に、夫の担当、妻の担当を決めましょう。例えばキッチンは妻の担当、浴室やガレージ、庭の造園は夫の担当と決めていきます。

<夫婦別寝室>は最大の課題

図面
1階は夫の場所。2階は妻の場所に分けた、熟年夫婦向け延床約25坪の小住宅プラン。トイレは個別に設けている。夫専用の玄関(玄関2)もあり、互いのプライバシーを重視している。

いま住宅プランで一番大きく変化している場所は<寝室>です。上のプランは、ある熟年夫婦のためのものです。夫の場所を1階、妻の場所を2階に設定しています。1階のリビング・キッチンを小さくして、夫の部屋と浴室、洗面スペースを最大限に大きくしたのがポイントです。

寝室を別々にしても、互いの雰囲気がそれとなく伝わる工夫が大切です。このプランでは、小さな吹抜けを作ることで、1階と2階をつないでいます。物音や気配で、お互いの様子がそれとなく伝わります。

こうした夫婦間のプライバシーを大切にしたプランでは、夫婦の意見が対立することは少なくなります。ただし、夫婦同寝室か別寝室かは、夫婦の関係を根本から見つめ直すことですから、充分な話し合いの上で決めるべきです。

夫はガマンが定石ですが………

吹抜け
小さくても<見せ場>をつくる。たった2畳分の吹抜けでも、大きな効果がある
夫婦で意見が対立したときは、夫は黙ってガマンする、のが得策といわれています。ある建築家は、最近の若い建て主は夫が妻の要望を優先するようになった、と言います。しかし住宅ローンは夫が負担することが大半です。30年以上のローンを払うのに、自分の居場所もない家では夫の不満はつのります。

結果として離婚につながるケースもあります。そういった事態を避けるために、家の<見せ場>をつくりましょう。例えば吹抜けや、眺めのよいテラス、凝ったガレージなどです。こうした部分に男性は夢中になります。自分が設計に参加した実感が得られるからです。

吹抜けなどは一見無駄なスペースのように思えますが、小さくても家の見せ場になります。テラスからの眺めは、会社から疲れて帰ったあとの心をなごませます。ほんの少しの工夫が、夫の不満を軽減させるのです。

次は、うとましい新築ノイローゼにならない秘訣を紹介。