実例を見るのが早道
キッチンからダイニング、リビングの収納を、壁面に一体化した例。壁面一杯におさめることで、すっきりとした空間をつくっている。写真は全て、ギャラリー収納編『収納百景』から |
『収納百景』。100件以上の実例写真と、間取り図を収録した中身の濃い一冊。問い合わせはギャラリー収納へ |
はじめにご紹介したいのは、リビングとダイニングの収納を一体にしたプランです。リビング・ダイニング・キッチンを一体にしたオープンプランの場合、意外と見落としがちなのは、リビングの収納量です。
キッチンやダイニングの収納を充実しても、リビングの収納量が不足すると、全体として散らかりやすくなります。リビングには、テレビやDVD、AV機器、各種リモコンなどの他に、子供の遊び道具や本・雑誌・新聞、各種料金の請求書、文房具等々、こまごまとした物が集中します。
これらを分類して整理することで、すっきりとした空間が実現します。
デザインの要素を減らして、ひろびろ感を出す
収納のデザインをシンプルにして、扉をナチュラルな仕様にした例。木の家具と合わせることで、すっきりとしたナチュラルモダンの雰囲気を演出している |
もうひとつのポイントは、空間の一体感です。リビング・キッチン・ダイニングの収納を一体にすることは、空間のデザインの要素(家具の種類)を減らすことにつながります。
この効果によって、空間にひろびろ感が生まれます。デザインの要素が多いと、全体としてごちゃごちゃした雰囲気になります。一点一点の家具を気に入っていても、部屋の中に入れてみると、何かしっくり来ない。こうした事を防ぐためには、収納部分は可能な限りシンプルにすることが大切です。
そのかわり、椅子やテーブルにアクセントをつけましょう。収納扉に合わせ、ソファやテーブルを選ぶことで、個性的なインテリアが生まれます。
正解は人それぞれ
壁面収納の左側は、小さな子供のための収納スペースである(絵本やおむつを入れる)。家族構成や全体の間取りによって、収納に必要な機能も大きく変わってくる。間取りと収納を連動して考えることが大切 |
一見すると同じような壁面収納でも、扉の色や取っ手のデザイン、細かな仕切り方の違いによって、全く異なった機能と空間が実現します。
どれがよいとか、正解ということはありません。収納は人それぞれで、その違いが空間の機能や性格を決定するともいえます。
次のページで、大人を感じさせる「ローダウン仕様」の収納を紹介します。