メニューさえ決まれば後はラク?鍵は食品庫にあり
料理をするのが負担に感じるのはどんなことですか?というアンケート(※)によると、半分以上の人が「毎日メニューを考えること」と解答しています。それに比べて、料理を作ること自体は7%、後片付けも24%と意外に少ない結果が出ています。料理をするのが負担に感じるのはどんなことですか? 後片付けと答えが人が意外に少ない。(※)LIXIL住宅研究所調べ 「家事と家族の協力」についてのアンケート結果より
確かに、今日何が食べたい?と聞いても、帰ってくるのは「何でもいい」という言葉ばかり。メニューさえ決まってしまえば、あとはもう手慣れたもので、パパッと作れるのにという人も多いことでしょう。こうしてみると、炊事は意外と精神的な負担が大きいことがわかります。
実はこの「メニューを考える」と言う悩みを解決してくれる鍵になるのが食品庫、パントリーです。お手本は料理のプロのキッチンにあり!キッチンリフォームの際の食品庫の工夫で、メニューを考えるのがぐんとラクになります。
料理のプロのキッチンをお手本に食品庫のリフォーム
キッチンリフォームの際にお手本にしたいのが料理のプロの食品庫です。料理研究家の家にお邪魔してキッチンを見せてもらうと、キッチンがいいのはもちろんなんですが、特に素晴らしいのが食品庫です。大きくて、奥までひと目で見やすい工夫がしてあります。そう彼らは献立を考えるのが商売です。たくさんの食品がひと目で見えやすいようにしておくことで、考えやすくしているのです。
料理のプロのキッチンには、お手本にしたい工夫がいっぱい。
テレビ番組で、キッチンスタジアムという言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。料理人がその場で献立を考えて対決する番組でしたが、そこでもたくさんの食材をズラリと並べて、それを見ながら、様々な料理を生み出していました。
これは家庭でも同じこと。実際に食材を見ながら考えることで、メニューが決めやすくなり、食材をムダ無く使いきることができるようになります。
テーブルの上に並べて、我が家の食品の量を把握する
ガイドYuuは今までたくさんのお住まいにお邪魔してきましたが、キッチンリフォームの前には、まず家中にある食品をテーブルの上に並べてもらいます。そうすると出てくる出てくる、ぎゅうぎゅう詰めの食品庫の中から、吊り戸棚の奥から、食器棚の引き出しから、中には段ボールに入れて足元に積んでいる家もありました。我が家の食品全てをテーブルに並べてみると、必要な食品庫の大きさがわかる。
テーブルいっぱいに並べられた食品を見ると、賞味期限が切れたものがあったり、同じものが複数重なっていたりすることも。あちこちにあるので、どこに何を収納しているかがわかりにくいため、このようなことが起きやすくなります。これではメニューを考えるのもひと苦労です。
皆さんの家でも、キッチンリフォームの計画を立てる前は、ぜひ家中の食品をテーブルの上に並べてみて下さい。賞味期限切れや忘れ去られた食品を見つけたら要注意です。食品庫の作りに問題がある可能性があります。
また全てを棚卸しすることで、我が家の保存食品の量がよくわかり、これらをスッキリ、見やすく収納するためにはどの程度の大きさの食品庫が必要か、見極めることができます。
冷蔵庫も食品庫、まとめて見渡せるようリフォームプランの工夫を
さて食品庫に加えて、もうひとつポイントとなるのが冷蔵庫です。イマドキはふたを開けた調味料や粉類は冷蔵庫で保存する人が増えています。冷蔵庫に入れる物は年々増えているので、入りきらないという家も多いことでしょう。冷蔵庫も食品庫のひとつ。食品庫とできるだけ並べて配置したい。
つまりキッチンリフォームの際には、食品庫+冷蔵庫を並べてプランすれば、食品庫に入れたストック食品と、冷蔵庫に入れた生鮮品や冷凍食品をひとめで見渡すことができるようになります。そうなれば、メニューが考えやすいのはもちろん、食品の管理や出し入れもとても便利に!
リフォームの際には、キッチン選びも楽しいものですが、ぜひ食品庫にもこだわってプランしてみて下さい。メニューを考えるのが本当に楽しくなります。
キッチン本体の収納力アップのリフォームで、食品庫が作れる
食品庫を作るスペースが無いと考えている人でも、様々な工夫で生み出すことが可能です。例えばリフォームの際に、収納力が高いキッチンセットを選ぶことで、今まで外に溢れていたアイテムが、キッチン内部にすっきり収まるようになります。その分、他が空きますので、そこに思い切って大型の食品庫を計画してみましょう。家の中にある食品の量は思ったより多く、また災害時の非常食の収納スペースとしても役立ちます。
イマドキのキッチンは引き出し式で、デッドスペースまで使いこなす設計になっている(LIXIL)
コーナー部分を活かすリフォームで、効率のいい食品庫を作る
下の写真は、部屋の角の部分に取り付ける、ウォークインパントリーと呼ばれる食品庫です。中に一歩踏み込むので内部がひとめで見渡せて、奥の物も取り出しやすくなっています。デッドスペースになりがちなコーナー部分を利用したもので、小さな面積でたくさんの食品が入ります。デッドスペースになりがちなコーナー部分を活用したウォークインパントリー。小さな面積で使い勝手のいい食品庫になる(LIXIL)
特に、まとめ買いをする生活スタイルをしている家庭は、食品の量が多いので、小さなスペースにギュウギュウに詰め込んでしまいがち。そうなれば中がよく見えないので賞味期限切れを起こしやすく、まとめ買いの意味が無くなってしまいます。空間を上手に活かした高効率な食品庫を考えていきましょう。
納戸タイプの食品庫なら家電も全てスッキリ片付く
面積に余裕があるならお勧めは納戸タイプです。ウォークインクローゼットの食品庫版のウォークインパントリーは、キッチン家電も全て収納でき、出し入れがしやすいので、料理が手早くできるようになるのはもちろん、キッチンまわりがスッキリ片付きます。キッチン脇に作られたウォークスルータイプの食品庫。何でもスッキリ片付いて、明るく風通しもいい(東急ホームズ)
上の写真は、ウォークスルータイプの大型食品庫です。明るく風通しよく、外に出ることもできます。
メニューを考えることは、料理を作る際の意外なストレスになっています。キッチンリフォームの際には、ぜひ食品庫と冷蔵庫にも注目してみて下さい。食材管理がラクになり、メニューが考えやすくなるので、料理がもっと楽しくなります。
さてキッチンで気になる収納と言えば、他に吊り戸棚があります。不要品がたまりがちなスペースですが、この吊り戸棚を徹底解剖!便利に活用するリフォーム術を下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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