増税で駆け込み4万戸増え、反動で10万戸減る?
住宅金融支援機構は今年2月、「消費税引上げによる住宅着工戸数への影響等」と題する報道向けセミナーを行いました。これまでの消費税の歴史(1989年の消費税導入、1997年の3⇒5%税率引き上げ時)と住宅着工戸数(国土交通省「住宅着工統計」)の関係性をみてみると、消費税導入・引上げと新設住宅着工戸数の推移。平成8年の消費税引上げ時は駆け込み9.8%増、反動減17.7%だった(資料提供協力:住宅金融支援機構)
と、導入時はむしろ全体着工戸数では増えていますが、
・税率引き上げ前1996年 148.5万戸
⇒税率引上げアナウンス後の直前1997年 163.0万戸(駆け込みで14.5万戸増、9.8%増)
⇒導入後1998年134.1万戸(▲28.9万戸、▲17.7%)
と、引上げ時は2割近く減りました。この第一次引上げ時で減った中身をみてみると、分譲の減りはあまりなかったものの、持ち家63.6万戸⇒45.1万戸(▲18.5万戸)、貸家61.6万戸⇒51.6万戸(▲10万戸)と大きく減っています。持ち家に多いマイホーム取得に大きく影響したといえるでしょう。
そして今回。段階的とはいえ、5⇒8⇒10%と大きく跳ね上がり、特に2014年に予定されている3%の引き上げでさえ、日本国民はまだ体験していない引上げ税率です。住宅金融支援機構は今回の消費税引上げ前後の新設住宅着工戸数の増減を試算しました。
3%引き上げは大きい?
グローバル経済競争の中での引き上げは個人家庭には大きい
引上げ前の平成24年度 88.9万戸
↓
駆込みが予測される平成25年度 92.5万戸(3.6万戸増、4%増)
↓
反動減が予測される平成26年度 82.2万戸(▲10.3万戸、▲11%)
と試算しています。これは前回の引上げ時と比べると何を物語っているのか? 次ページで説明します。