ディナーコースより
2013年2月現在、ディナーコースは5000円の一本のみ。以下、その5000円コースの料理から御紹介します。
・アミューズ
半熟玉子と有機ホウレン草のピュレ、ペーコンの泡
アミューズは「半熟玉子と有機ホウレン草のピュレ、ペーコンの泡」。スティックパンと共に、程よく温かい状態で提供されます。まず驚いたのは玉子の半熟というよりもポタージュのようなスムーズで滑らかな舌触り。これに有機ホウレン草の青味とコク、さらにはベーコンの風味が加味されて、足し算が口の中で掛け算になるような、まさに美味アンサンブル。寒い冬の時期には常温のアミューズよりも、こういう温かいスターターのほうが嬉しいですし、食欲も活性化していきます。
そして玉子を固定するために敷かれているのは何と「ほうじ茶」! こういう「和」を使った美麗な盛り付けのセンスは日本のフレンチならではの魅力ですね。
・前菜
松葉ガニとユリ根のキッシュ からし菜と紅心大根のサラダ
一皿目の前菜は「松葉ガニとユリ根のキッシュ からし菜と紅心大根のサラダ」。まず、キッシュですがシェフが鳥取県ご出身ということで、鳥取産の松葉ガニが贅沢にもたっぷり濃厚に盛り込まれているのが嬉しいですね。ユリ根も良いアクセントになってますし、しっかりと丁寧に作られていることが伝わってくるハイレベルな仕上がりでした。
・前菜2
北海道殻付き帆立貝のポワレ、菜の花と金柑のマリネ
続いての前菜は「北海道殻付き帆立貝のポワレ、菜の花と金柑のマリネ」。帆立の殻は、私(成人男性)の手のひら程の大きさがあり、帆立も大ぶり、プリプリ! 菜の花、シラス、金柑、さらにはミモレットチーズで帆立の旨味を引き立てつつ、季節感のある一皿に。
・フォアグラ
フォアグラのポワレとタルトタタン
そして、今回もっとも心に残る逸品がこちらの「フォアグラのポワレとタルトタタン」。
パンケーキに挟まれたフォアグラの塊! そこにタルトタタンとリンゴのジャムという手間暇のかかった甘味を添えるという、まさにフランス料理の王道とも言うべき仕事量の多さが生み出すクオリティの高さ。シンプルに見えますが、フォアグラの官能的なまでの香りと滑らかさ、そしてパンケーキの風味と食感、タルトタタンの完成度と甘さのバランス感など、全体の温度までもを考慮しながら一皿に盛り付けるのは、チームワークの良さがあってこそ。日向夏とシナモンパウダーも良いアクセントになってました。
・ポワソン ド マルシェ
淡路産の金目鯛、サフランとソバ実のリゾット
魚料理は「淡路産の金目鯛、サフランとソバ実のリゾット」。皮目はパリパリに、中身はふっくらと、金目鯛の魅力を活かした火入れがいいですね。この金目鯛に寄り添うソバの実リゾットも上品な味わいでしたし、「うるい」「小松菜」「大根」「ミニトマト」等々、野菜も充実。ローカロリーで健康的な仕上がりです。
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メイン料理やデザート等を御紹介です