渋谷系序説
久しぶりにコラムっぽい事を書きます。テーマは、世界の渋谷系。Wikipediaによれば、「東京・渋谷を中心に1993年から1996年に流行したとされる、日本のポピュラー音楽(J-POP)のひとつのジャンル」とあります。この場合の渋谷というのは、必ずしもアーティスト達が渋谷を拠点に活動していたわけではなく、日本の都会的なモノの象徴としての渋谷と考えるべきでしょう。音楽ジャンル的には幅広く、共通している事は、60年代から80年代のかっこいい音楽を再発掘している事くらいでしょう。ただ、渋谷系の代表とされるピチカート・ファイヴは、YMOの細野晴臣が主宰したNON-STANDARDでデビューしたり、フリッパーズ・ギターの小山田圭吾(コーネリアス)はYMOのサポートもしていたり、テクノポップとの親和性も高かったりします。Nice Musicとかは、渋谷系テクノポップと言ってもいいし、初期capsuleや渋谷系の潮流にあるフューチャーポップではテクノポップとの融合も見られます。前回の記事で登場して頂いた野佐怜奈のアルバム『don't kiss, but yes』も、10年代の渋谷系に認定したい内容です。
という訳で、本題の世界の渋谷系について。日本の渋谷系を明らかに意識している、及び同じ空気を感じる海外のアーティストたちが散らばっています。渋谷系自体が海外の影響(特にイギリス、フランス、北欧など)を受けているがため、純粋な日本ルーツではありませんから、その判定は主観的にならざるを得ません。それらは、多くの場合、集団やムーブメントと呼べるほどの数には至っていないのですが、いろんな国で見つかったりすると、日本人としては嬉しかったりします。多くは売れ線を狙ったというよりも、本人達がなんかこだわってやっている感じがして、好感がもてます。そんな人達を応援する意味も込めて、紹介します。
なお、日本の渋谷系のカヴァー企画アルバム(全3集)が、2012年に小冊子付きでリリースされていますので、ここに紹介しておきます。
渋谷系 リスペクト 1
渋谷系 リスペクト 2
渋谷系 リスペクト 3