妊娠線とは?
下腹部に縦に出来やすい、お臍の上下になるのは正中線
妊娠線ができやすい体質
- 皮膚の柔軟性が少ない、乾燥肌タイプの人や35歳以上の高齢妊娠
- 体重の増加が12kg以上の人
- 痩せている人
- 冷え性体質の人
- 多胎妊娠の人
- アトピー体質の人(皮膚がステロイドの影響で伸展しにくい)
結果、適度な運動をして体重のコントロールが出来(体重の増加が8kg以下の人はほとんどできません)、皮膚の保湿を保ち、皮膚の進展性を高めればできにくいという事になります。予定日近くなり、お腹が大きくなってくると下腹部が特に見えにくくなりますので、そこも気にしてマッサージしてあげましょう。
妊娠線ができにくいマッサージ方法
下腹部や脇腹は念入にケアしよう
- まずお風呂上がりの皮膚に水分が少し残っている時に行います。
- 適量のオイルを手にとりよく体温で温めます。
- お腹全体に塗布します。
- 一番出来やすい下腹部は横方向へ、脇腹を念入りに集中してマッサージします。
- 最後にまたお腹全体を塗布して、タオルなどで皮膚に馴染ませて終了です。
妊娠20週になったらはじめて、産気づく前の日まで行いましょう。臨月に入って気が緩んでお休みするとできやすいので、要注意です。
世の中には100種類以上の妊娠線のケア用品がある
妊娠線のケア用品売り場やネット商品、妊婦さん用の雑誌などをみると、実に様々な商品が沢山あり、「では、どれを選んだらよいのか?」という疑問が沸いてきます。妊娠してから体質が変わったり、敏感肌になる人もいますので、成分表をチェックしたり、自分の肌でサンプル品などでパッチテストをしてから購入できるのが理想です。「ローション<クリーム<オイル」ができにくい
私も皮膚科医のDrと研究したところでは、圧倒的にオイルのほうが出来にくいことが立証されています。スキンケアでもローションよりも美容液のほうが油分が多いので、しわやたるみを予防できるのと同じ原理です。ただ日本はボディーローションの文化なので、特に夏場などはさらっとした使用感のローションのほうがお好みの人もいます。一番できやすい下腹部はオイルにしてお腹の上のほうはローションというように使い分けるのも一つのテクニックですね。ただ冷え性の方の皮膚組織はオイルで皮膚温度が上がり、皮膚の伸展が促進されますので、オイルのほうがよりベターと言えます。
まずキャリアオイルですが、乾燥肌の人にはホホバ、年齢が高く、皮膚の柔軟性 を高めたい時はアーモンドオイル、マカデミアナッツオイルを使用します。妊娠して汗が多くでる人や夏場にはグレープシードオイルを使用することもあります。私の一番のお勧めは人間の皮脂組織に一番近いと言われているスクワランオイルやライスオイルがデリケートな妊娠時期でもトラブルなく使用できます。
日本の妊婦さんに好評なオイルの商品は、WELEDA、クラランス、エル バビーバのマタニティーオイルがあり、オイルは産後の保湿にも引き続き使えるので便利です。
自分で精油をブレンドするには?
キャリアオイルのみでも十分ですが、精油の効能もブレンドするとより効果的になります。代表的な精油の紹介と注意点をご紹介いたします。マンダリン: 皮膚を柔らかくする効果があり、妊婦さんが好む柑橘系の香りです。
フランキンセンス: 別名「乳香」とも言い、皮膚細胞の成長を促進し、しわ、たるみなどのお肌の若返りの効果が期待できます。
パルマローザ: しわ予防、皮膚の老化防止に効果があります。
ネロリ: 値段が高いのですが、皮膚のしわやたるみを防ぎ、お肌に張りを与えます。特に高齢妊婦さんにオススメです。
ローマンカモマイル: 腹帯やガードルなどで湿疹ができやすくなると炎症を抑える働きがあり、この精油をブレンドします。
キャリアオイルとブレンドする濃度は0.5%~1%以内とします(キャリア30mlに対して3~6滴)。2種類までブレンドしても構いませんが、あまり欲張らず1種類のみの香りをその妊娠月齢の雰囲気や体調に合わせて変えてみるのもよい方法です。
気をつけて欲しい事は精油を混ぜてブレンドした時は肘の内側などでパッチテストして反応を確認してからお腹のマッサージに移りましょう。妊娠前は大丈夫な精油も妊娠時期の体調によって、皮膚反応が強くでる場合もあります。キャリアオイルのみでも確認するとなおよいと思います。
パパにもお腹をマッサージして胎動を感じてもらおう
またマッサージ中は赤ちゃんの胎動もよくわかる時です。キックゲームをしたり、パパにも時にはマッサージをしてもらい、夫婦のコミュニケーションの一つになりますので、パパにもぜひマッサージしてもらいましょう。
学研2016~2017マタニティー P50~53