2.一人親方その他の自営業者など(第2種特別加入)

一人親方は特別加入していないと、工事請負ができなくなる恐れあり

一人親方は特別加入していないと、工事請負ができなくなる恐れあり

前記のような中小事業主は、従業員の労災と経営者などの特別加入をセットで加入します。ところが、基本的に従業員を使用しないで一人で事業を行う人も存在しますね。この方々は、労災に特別加入する途はないのでしょうか?実はこうした方々の救済にも特別加入制度が活用できます。一人で事業を行いますので「一人親方」と呼ばれます。

【加入できる人】
次の事業を従業員を使用しないで行う者、その家族従事者など(家族従事者等はすべて包括して加入します)

・旅客、貨物の運送事業(個人タクシー業者、個人貨物運送業者)
・土木、建設事業(大工、左官、とび、石工、除染作業など)

その他、個人水産業者、林業、医薬品の配置販売、廃品回収事業、船員法1条の船員が行う事業などがあります。実務上では、上記の2つの事業に携わっている方は特に特別加入をするメリットは大きいでしょう。業種的にケガや病気のリスクが大ですね。

たとえば、建設現場で不幸にも労災事故があった場合には、下請けで一人親方として仕事をしていた時は、元請業者の労災保険を受けることはできません。下請業者の従業員であれば、元請の労災保険が受けられますが、従業員ではなく一人親方(自営業者)として仕事をしているので労災適用ができないのです。未然に特別加入しておけば安心ですね。

【加入の条件】
一人親方の団体(政府の承認を受けた団体)に加入し特別加入を申し込むこと

【仕事受注のチャンスのためにも加入は必須】
建設業では、労災保険に特別加入していない一人親方は、建設現場に入れないことがあります。これは正に仕事の受注チャンスの喪失です。元請会社からは労災保険の特別加入の有無の確認が定期的になされます。特別加入をしておくと「加入証」が発行されますから元請会社に加入証明ができますね。

3.特定作業従事者(第2種特別加入)

特定農作業従事者、指定農作業機械作業従事者、職場適用訓練受講者、事業主団体等委託訓練生、家内労働者とその補助者、労働組合等の常勤役員(一人専従役員の場合の代表者である常勤役員)、介護作業従事者などです。こうした特定作業に従事する方へ特別加入の途もあるのですね。今回の記事では紹介のみにいたします。

4.海外派遣者(第3種特別加入)

国内で事業を行っている事業から海外の事業に派遣される者を、政府の承認を条件に特別加入が認められています。海外派遣の際のメリットも大きいですが、今回の記事では紹介のみにいたします。

特別加入保険料はどの位かかるのか?

以上、4つ特別加入ができる人の条件やメリットをみてきました。では、特別加入の費用(保険料など)はどのくらいかかるのでしょうか。前記の中小事業主等、一人親方その他の自営業者などに分けてみていきましょう。

1.中小事業主等の特別加入保険料は?

【計算式】
労災保険特別加入保険料=保険料算定基礎額×労災保険率

保険料算定基礎額
は、給付基礎日額×365日(1年間)で計算します。

 

おおよその予算組みをして加入を検討してみよう!

おおよその予算組みをして加入を検討してみよう!

また給付基礎日額とは、実際の労災保険の1日の給付額を計算する基礎額のことです。中小事業主等は従業員ではないので、1日当たりの給付額は、自身の所得水準に見合った適正な額を申請して決まります。具体的には1日20,000円~3,500円の範囲で決まります。この1日当たりの額を365倍して年間の算定基礎額を計算し保険率をかける仕組みです。

労災保険率は、事業の種類により1,000分の2.5~1,000分の89(平成24年4月1日現在)まで細分化されています。危険有害な事業は率が高く設定されています。

【具体的計算例】
建設事業の事業主が給付基礎日額10,000円で特別加入した場合
(平成24年4月1日現在 建設業(一般)労災保険率 1,000分の13)

10,000円×365(1年間)=3,650,000円
年間特別加入保険料3,650,000円×1,000分の13=47,450円
月に換算すると 約3,950円 となります。

【その他留意点】
労働保険料はその他、別途従業員の労災保険料、雇用保険料がかかります。また特別加入には、労働保険事務組合に対してその他入会金、事務委託料(別途会費など)がかかります。委託人員(役員・従業員)の人数により額が変わるようです。おおよそ委託人員が数名の場合は1月数千円~のようです。なお特別加入するには従業員が1名以上いることが前提です。

2.一人親方等の特別加入保険料は?

【計算式】
労災保険特別加入保険料=保険料算定基礎額×労災保険率

保険料算定基礎額
は、給付基礎日額×365日(1年間)で計算します。

保険料算定基礎額、給付基礎日額については、前記の中小事業主等の特別加入と同様です。一人親方等の労災保険率は、事業の種類により1,000分の3~1,000分の52(平成24年4月1日現在)まで細分化されています。危険有害な事業は率が高く設定されているのも同様です。

【具体的計算例】
建設事業の一人親方等が給付基礎日額10,000円で1年間特別加入した場合
(平成24年4月1日現在 建設業労災保険率 1,000分の19)

10,000円×365(1年間)=3,650,000円
年間特別加入保険料3,650,000円×1,000分の19=69,350円
月に換算すると 約5,780円 となります。加入月数により月割りもされます。

【その他留意点】
また特別加入には、一人親方の団体に対してその他入会金、組合会費などがかかります。委託人員(役員・従業員)の人数により額が変わるようです。おおよそ1月数千円~のようです。

どのような労災保険の給付が受けられるのか?

特別加入した場合の労災保険の給付内容は、従業員の労災とほぼ変わりはありません。記事のボリュームが大きくなりますので、保険給付内容は、下記の参考資料でご確認ください。従業員に対する給付が経営者でも受けられるメリットを感じられることでしょう。

<参考記事>
建設業者の社会保険未加入対策はこうする!

<参考資料>
特別加入制度のしおり(中小事業主等用)厚生労働省

特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)〃

特別加入制度のしおり(特定作業従事者用)〃

特別加入制度のしおり(海外派遣者用)〃

 



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。