実は、自家ヴィンヤードも所有
雪のぶどう畑をバックに、佐々木夫妻
雪に覆われた畑に立つと、南のほうに函館山が望める。ここを選んだ理由は「南東向きでブドウの育成に不可欠な朝日が十分に得られること」「白ブドウの酸の保持がいいこと」「他県よりも昼夜の寒暖差が大きいこと」「シャルドネ向きの気象データを持つ地域であること」「近隣にシャサーニュやサントーバン(ブルゴーニュの銘醸白ワイン産地)に似たジュラ紀の石灰岩があり、それを利用できること」とさすがフランス国家認定農業上級免状(BPA)取得者らしい観点で語る佐々木さん。
函館山からの夜景
買える店・飲める店、購入方法は?
さて、購入はどうしたらいいのか。お勧めしたいのは函館観光の際に「農楽蔵ショップ」をのぞいて購入すること。佐々木夫妻と話ができるかもしれない。ただし、ショップは常に開いているわけではない。オープン日のスケジュールと場所はこちらをチェックしてほしい。ぜひ、確認してからお出かけを。あわせてリリースされるワインのスケジュールを確認して好みのワインを狙っていくのもいい。
函館ではなく、近所のお酒屋さんで買いたいときは、全国の特約酒屋さんリストをチェック。
■函館の特約酒屋さんの一つ「サケブティック 越前屋」さんをお尋ねした。
サケブティック越前屋は階上にもさまざまなお酒が
そのほか、一般の人で購入したい人は「Nora-club」の会員なるという手もある。ただし2012年分は終了。次の募集は狙おう。人気が高いことは今から覚悟。
函館市内で飲める店(飲食店)はこちら。まだ掲載は少ないがこれから増えるそう。今回お勧めしたい飲める店2件を紹介しよう。
■驚くべき洗練度のイタリア料理「エノテカ・ラ・リコルマ」
リコルマの前菜「函館産真鱈白子のコトレッタ スパイシーなドライトマトソース」とノラ・ブラン・シャルドネ。
住所:〒041-0811 北海道函館市富岡町2丁目33−12
電話:0138-42-8303
ランチ11:30~13:30/ディナー18:00~20:30(LO)
定休日:火曜日、水曜日のランチ
■酒匠のいる「鮨処 ひろ季」
鮨処ひろ季の和美女将は世界きき酒師コンクールのファイナリストだ
<おまけ>
■ワインにピッタリのチーズ工房「山田農場チーズ工房」
手作り感満載の山田チーズ工房
畜舎やチーズ工房・住宅までも自分たちで建て自給自足を目標に家族経営をされている。雪に埋もれた木造りチーズ工房の向かいには白い息を吐くブラウンスイス(乳牛)や山羊さん羊さんがおとなしく佇んでいる。かなりのナチュラル、いやワイルドといった環境にみえるが、この日購入したセミハードの「トム」は本格派の味わいで実に奥深く洗練された旨味を楽しめる。
ハードタイプのトムは、そのままでも焼いてもおいしい
さて、おもわず長くなってしまった「農楽蔵」の紹介だが、今回の訪問は函館そのものの魅力も再発見できた。函館のワインはやはりまずは函館で楽しみたいと感じる旅でもあった。雪の函館、春の函館、新緑の函館、初夏の函館、秋の函館・・・とそれぞれの季節にそれぞれの魅力を体験させてくれるだろう函館に、あなたも旅をしてみないか? もちろん「農楽蔵」をのぞくのも楽しみの一つに入れてほしい。
また、農楽蔵は始まったばかりのワイナリー。生産量も少ないしラインナップも変更があるだろう。ワインファンとしては温かく見守りたいワイナリーだ。日本ワインファンの皆様、応援をどうぞよろしく。