マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

地震に強いマンション(9)耐震診断の手続き

マンションの耐震性を様々な角度からチェックして、もし「充分な耐震性がない」となったら、次のステップは「耐震診断を受ける」ことです。今回はマンションの耐震診断の手続きについて取り上げます。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

もし耐震性に不安の声があがったら、プロによる耐震診断を検討しましょう(写真はイメージ)。

もし耐震性に不安の声があがったら、プロによる耐震診断を検討しましょう(写真はイメージ)。

もし、住んでいるマンションの耐震性に不安を感じたり、老朽化が気になるようになったら、その時がプロによる耐震診断を受けるタイミングかもしれません。

耐震診断を受け、その結果が出てから次に耐震改修や建て替えというステップに進むことができます。今回は、マンションの耐震化の最初のステップである「耐震診断」の手続きに注目します。

 

マンションの耐震化の流れ

まず最初にマンションの耐震化の全体の流れを確認しておきましょう。マンションの耐震化を実現するためには次の4ステップがあります。

(1)耐震診断→(2)耐震化の検討→(3)耐震改修計画→(4)耐震改修実地

耐震性に疑問を持ったら、まず最初に取りかかるのがプロによる耐震診断を受けて判定を得ることです。そこがマンション耐震化の出発点です。今回はそのマンションの耐震化の最初のステップである(1)耐震診断 の基本的な進め方を見てまいりましょう。

 

マンション耐震診断を実施するまで

マンションの耐震化の一番最初のステップ「耐震診断」を行うには、きっかけから始まって、以下のような流れがあります。
きっかけ、動機 → 情報収集と予算化 
総会で決定 → 専門家の選定 → 耐震診断の方法(2P

 

耐震診断のきっかけ、動機

耐震診断をする動機づけとしては例えば、旧耐震の建物である、構造上のバランスが悪い、または住民から不安の声が上がった……等々が考えられます。

また、老朽度の調査を行う時や長期修繕計画の見直しを行う時なども「それに合わせて耐震診断を受けよう」という話が出やすいタイミングだと言えます。これらのことをきっかけにマンションの理事会等で耐震診断の準備を始めることになります。

 

耐震診断の情報収集と予算化

まず準備として取り掛かるのは耐震診断にかかる情報収集、そして予算の計上です。理事会ではマンションの管理会社やマンション管理士、地方公共団体の相談窓口などに相談し、耐震診断に必要な情報を集め、検討を行います。

その結果「耐震診断をした方がよい」ということになれば、耐震診断の専門家に耐震診断の費用の見積もりを依頼し、耐震診断の予算化の資料を作成することになります。お住まいの自治体によっては補助制度がある場合もありますので、そのような情報もこの段階で調べておくとよいでしょう。

次のページでいよいよ耐震診断実現へ!次のステップをご紹介いたします。
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