”飛び”のフェアウェイウッドが席巻!
昨年、テーラーメイドから発売されたフェアウェイウッド「ロケットボールズ(以下RBZ)」。人気ブランド、「バーナー」の後釜のブランドとして登場したモデルですが、契約プロが17ヤードも飛距離を伸ばしたということで、発売前から大変な話題になり、世界的な大ヒットとなりました。日本国内でも欠品が相次ぐほどの人気で、FWの勢いをうけて、ドライバーやユーティリティーも売れるという、近年の新ブランドとしてはかつてない成功を収めました。
クラブのプロモーションといえば、なんといってもドライバーが中心。ゴルファーが一番関心を持つクラブであり、1本あたりの販売価格も最も高額で、販売構成比からいっても大きな割合を占めるカテゴリーです。当然、メーカーはドライバーの開発や宣伝に力を入れるわけです。
17ヤード飛んだ前作をさらに10ヤード上回る17+10yが売り文句の新作「ロケットボールズ ステージ2 FWが」
これまでもオデッセイやスコッティーキャメロン、YESパターのようにパターのみのブランドや、ミズノのようにどちらかというとドライバーよりもアイアンのイメージの強いメーカーがありましたが、ラウンドでの使用頻度もドライバーやアイアンほど多くないFWを看板商品にするのは、メーカーとしてはなかなか勇気ある決断だと思います。
そして、今年に入りキャロウェイから“300ヤードスプーン”というコピーで「X HOT FW」が登場しました。これは、アマチュアでも300ヤード飛ばせるFWを作りたかったというコンセプトに基づくもの。クラブの設計者、ルーク・ウィリアムズ氏自らが300ヤードショットを放つ動画が公開されるなど、発売前から話題になったクラブです。
今年から契約プロとなった石川遼選手をはじめ、契約プロも使用してぞくぞくと300ヤードショットを連発。発売後は、6週間連続で販売数トップになっているとか。
ドライバーは、1ラウンドで14回使うと言われています。パターやウェッジはそれ以上です。一方、FWはパー5や長いパー4の2打目などに使用が限定されます。FWが得意なゴルファーは、狭いホールでのティーショットに使うこともあるでしょうが、基本的に回数は少ないわけです。
にも関わらず、キャロウェイもまたFWを中心に据えたプロモーションを展開しているわけです。人気のFWにドライバーやアイアンが追いついてくればその戦略は成功といえるでしょう。
今回は、各ゴルフメーカーが重視し始めている“飛び”のフェアウェイウッドについて、考えてみます。