マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

誰も教えてくれない間取りの見方2. 立体で捉える(2ページ目)

「平面」はプラン図をみればおおよそ想像できると思いますが、「立体」はどうでしょう。ベテラン一級建築士の、「立体」で捉える独創的な間取りの見方をご紹介します。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

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天井の高さ、低さで価格が変わる?変わらない?

同じ面積であっても、天井が高ければすっきり開放感があります。つまり専有の高さ、低さで価値も変わるのではないでしょうか。

この場合、表面的な天井高ではなく、床スラブ(コンクリート部分)の上面から天井スラブの厚み分を加えた高さが問題です。これを「階高」と言います。この階高から、スラブの厚み、二重床や二重天井の寸法を引いたものが天井高になります(下図参照)。

階高の考え方 
階高は3m前後の場合が多く、構造により異なり、同じ建物でも階により異なります。建物は様々な高さ制限を受けながら、建てられる高さが決められ、それらの中から階高が決められていきます。

昔の建物の方が階高は高い傾向にあるかもしれません。これは、昔の方が建築基準法の高さ制限が緩やかであったこととも関係しているようです。供給する側からしても、余裕のある階高がとれる方が設計も施工も楽なことが多いのです。高さ制限により調和のとれた街並みになるのですから仕方ありませんが、日々の設計の仕事ではこの規制と戦っているわけです。

マンションのパンフレットには天井高は表示されていますが、大切な階高は表示されていないケースがほとんどです。本来は断面図に書き込まれるべき事柄なのですが、寸法が書かれていない図面が一般的なようです。断面図自体が無いパンフレットも少なくないのです。


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