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世界の映画賞から見るアカデミー賞の行方(2ページ目)

アカデミー賞候補作が発表され、2012年度の映画賞レースが盛り上がってきましたね!そこで、アカデミー賞予想をPart1、Part2、2回に分けてお届けします。Part1は、アカデミー賞始めとする世界の映画賞の情報&傾向を。誰がどんなプロセスで選考しているか知っていますか?そんなマメ知識とともに受賞作からオスカーの行方を見てみましょう!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド



アメリカの二大映画賞はこれだ!


●アカデミー賞

『アーティスト』

2011年度のアカデミー賞作品賞受賞作『アーティスト』


アカデミー賞は授賞式前年の1年間にアメリカ国内の特定地域で公開された作品を対象にしています。受賞作を選んでいるのは、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の会員。彼らの無記名投票で、各部門一番多く票を獲得した映画や人が受賞となるのです。

映画芸術科学アカデミー会員というのは、映画業界人のプロフェッショナルたち。プロデューサー、監督、俳優、撮影監督など映画製作に関わっている人々が6000人あまりいます。同業者が選ぶ賞なわけですね。

ちなみに日本人で会員としてアカデミー賞の投票権があるのは、俳優の渡辺謙、衣装デザイナーのワダエミの2名。故・黒澤明監督、故・勅使河原宏監督も会員として名前があります。同会員に推薦されないと会員にはなれないようです。ちなみに宮崎駿監督は推薦を受けたそうですが「創作に専念したい」と辞退したとか。

会員は映画業界のベテランも多いので、意外と前衛的な作品は受賞できないとか、会員に好かれるタイプのスターじゃないと受賞できないとか、裏ではアレコレと噂が飛び交っています。

今年、第85回を迎えるアカデミー賞ですが、2011年度・第84回の作品賞は『アーティスト』でした。モノクロのサイレント映画がアカデミー会員に愛されましたが、さて、今年は!

●ゴールデン・グローブ賞

『レ・ミゼラブル』

ゴールデン・グローブ賞コメディ/ミュージカル部門の作品賞受賞『レ・ミゼラブル』


2012年度のゴールデン・グローブ賞が発表されましたね。アカデミー賞は映画界の同業者が選ぶ賞ですが、こちらは、ハリウッド外国人映画記者協会(Hollywood Foreign Press Association, HFPA)の会員が、アメリカ合衆国における映画とテレビドラマに与える賞です。会員の投票により決定します。

ゴールデン・グローブ賞は、映画部門とテレビ部門があり、映画もドラマとミュージカル/コメディ部門に分かれています。ちょっとややこしいのは、ドラマ、ミュージカル/コメディ、それぞれ作品賞、主演男優賞、主演女優賞のみで、監督賞、助演男優賞、助演女優賞ほか脚本や技術の各賞は、ドラマ&ミュージカル/コメディ共通となっていることです。

アカデミー賞前に発表されるもっとも大きな賞なので、この受賞結果を見てオスカー予想をする人も多いでしょう。また受賞作は比較的クセの少ない、メジャースタジオの大作系が多いので、ゴールデン・グローブ賞受賞作は万人向けとも言えそうです。

2012年度のゴールデン・グローブ賞の主な受賞作。
【ドラマ部門】
作品賞『アルゴ』
主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス
主演女優賞:ジェシカ・チャステイン
【ミュージカル・コメディ部門】
作品賞『レ・ミゼラブル』
主演男優賞:ヒュー・ジャックマン
主演女優賞:ジェニファー・ローレンス
【共通部門】
監督賞:ベン・アフレック
助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ
助演女優賞:アン・ハサウェイ


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