RS4ほどストイックに速さを求めないS4
先述のようにライバル不在のS4。その最大の特徴は4.2LのV型8気筒をA4のボディにぶち込んだことでしょう。S4と誇らしげに輝くバッジを備えた3本スポークステアリング。インパネの左右をカーボンパネルが貫いています。クルーズコントロールはオプション設定
4.2LのV型8気筒エンジンから生み出される最高出力344ps、最大トルク41.8kg-mという豪快なパワーを、4輪へ余すことなく伝えるべく、アウディの4WDシステム「クワトロ」が採用されています。時速100kmに達するまでの所要時間はセダンでわずか5.8秒(ステーションワゴンのアバントでも5.9秒)。
当然のように専用のスポーツサスペンションが採用され、ベースのA4に対し車高が20mm下げられてはいますが、乗り心地はガチガチか?といえば否。同じエンジンをさらに最高出力420psにまで高めたRS4とはやはり性格が違うのです。
RS4が6速のMTしか用意していないのに対して、S4は6速ATですし、ステアリングのパドルを使ったギアチェンジまで可能です。RS4ほどストイックじゃないのです。そのため、十二分に速いモデルであるものの乗り心地はあくまでスポーティで、車速が乗るとどんどんスムーズでフラットになるという方向付けです。
写真はオプションの本革シート。標準装備は本革&アルカンタラとなりますが、どちらも「RECARO」の刻印が刻まれた専用シートです。フロントの2座は標準で電動&シートヒーター付きとなります
またインテリアはといえば、アルカンタラと本革で覆われたレカロスポーツシート、BOSEサウンドシステム、6連奏CDチェンジャー、DVDナビを含むMMS(マルチメディアステーション)などが標準装備されるなど、快適装備が充実しています。
日本の公道でその俊足ぶりを確かめる場所はありそうにない、つまりせっかく買ってもほとんどの人はアクセルペダルを床まで踏むことはないほど速いのに、快適。S-line以上RS未満というライバルにはない絶妙なポジショニングがS4の魅力と言えるでしょう。
ちなみに原稿執筆時点でRS4セダンは6台、アバントは10台見つかりました。最安値はセダンの2006年式/9万km/修復歴なしで339万円。サーキットを走るつもりのない私なら先述のS4(2007年式/走行距離4.3万km/修復歴なしで218万円)で十分ですが、みなさんはいかがですか?
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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