ライバル不在!?のスポーツモデル
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はアウディS4(旧型)をご紹介したいと思います。ベースであるA4と同じく、新生代アウディを象徴するシングルフレームグリルが採用されていますが、デザインが多少異なり、S4のほうが迫力があります。またS4にはサイドに大きなドアアンダープロテクトが備わります
まずS4のポジションを整理しておきますと、ベースはA4です。そのスポーティグレードがS-lineで、それよりもスポーティなモデルがS4となります。さらにその上にはクワトロ社がチューニングを手掛けたRS4が鎮座しています。
メルセデス・ベンツのAMG社、BMWのM社と同様の関係がアウディのクワトロ社ですから、C63やM3といった高性能モデルに比例するのはS4ではなくRS4ということになります。
ではメルセデス・ベンツのCクラスやBMW3シリーズにおいて、S4はどの車と対峙するのかというと、これが難しいのです。S-line に対応するのはCクラスがアヴァンギャルド、3シリーズはMスポーツと言えますから、S4にはライバルが存在しないことになります。
18インチのアルミホイールに235/45タイヤを履くS4。リアの左右にはそれぞれ2本ずつエギゾーストパイプが顔をのぞかせています。セダンにはトランク一体型の小さなリアスポイラー、アバントにはルーフスポイラーを装備
こんな風に単純に比較させないのがアウディの戦略であり、販売好調のカギなのかも知れません。何しろ最近BMWがMパフォーマンスなるラインを設定してきました(日本にはM135iが導入済み)。これはMスポーツとMモデルの中間を埋める、つまりアウディのSモデルに対応するモデルと言えます。
ともあれ、2005年2月の日本デビュー時にはライバル不在の高性能スポーツサルーンだったS4。S-lineの3.2クワトロの新車時価格が639万円だったのに対し、169万円高い808万円でした。ちなみに約1年後に登場したRS4はさらに182万円高い990万円。
これでもC63やM3と比べればお安いわけですが、とはいってもA4の最廉価グレードが2台買える価格です。しかしデビューから約8年が経ち、2009年にはフルモデルチェンジによって旧型となったため、中古車ではグッと身近になってきました。
原稿執筆時点でS4のセダンは3台、アバント(ステーションワゴン)は7台。セダンの一台は2007年式/走行距離4.3万km/修復歴なしで218万円。つまり新車時の70%前後オフってことです。一方アバント(新車時価格826万円)は2005年式/4.2万km/修復歴なしで258万円の中古車が見つかりました。こちらも約70%オフです。
もちろん価格だけがオススメの理由でありません。次ページ以降で魅力をさらに詳しく見ていきましょう。