高度成長期の日本企業は、年功序列、終身雇用の中、人材は管理の対象という考え方が主流で、人材育成に対する明確な目的や目標はなかったと言えます。

しかし、ビジネスを取り巻く環境が激変し、グローバルビジネスの波の中で競争が激化する現在、労働集客型の仕事はますます海外に流出しますし、さらにIT化によって機械が人に替わって仕事をしてくれるようになりました。そのため、企業は社内の人材のスキルや知識を高め、人にしかできない仕事をさせ、他社にない差別化商品・サービスをつくることが必要になってきました。

つまり、現在、企業にとって人材育成は経営戦略の一環として、組織的かつ戦略的に取り組むべき活動として位置づけられています。


人材育成は社をあげて取り組む課題

企業の人材育成の目的は、簡単に言えば、社内の大きなリソース(資源)である「人材」を効果的かつ効率的に活用し、競争力を向上させ、利益を最大化することと言えます。つまり、いかに少ない人員で最大の利益をあげるかが企業の求めるところだとしたら、人材育成には企業の利益の最大化に直接的に貢献することが求められているということになります。

その意味で、人材育成は単なる知識やスキルの習得だけではなく、企業の競争力に繋がる生産性の向上を達成して始めて、その成果が出たということになります。そうなると、人材育成は人事部だけが担う仕事でなく、社をあげて取り組む極めて重要な課題と言えます。


 企業の利益最大化と人材の流出防止に繋がる人材育成

終身雇用制度の崩壊とともに、日本においても人材の流動化が始まりました。一流大学を卒業し、大企業に入社をしても3年以内に辞める方が増えてきたという事態は20年前には考えられなかった現象です。

人件費は企業にとって非常に大きな割合を占めます。そして、良い人材を取るための採用費も馬鹿になりません。つまり、せっかく将来稼いでくれるであろう優秀な人材を採用したと思っても、彼らが育って稼いでくれる前に辞められてしまっては、会社としては持ち出し以外の何者でもないのです。

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人材育成が競争力につながる

では、なぜ良い人材が辞めてしまうのか?
もちろん、その理由は各人で異なるでしょうけど、社員を育てようとせず、使い捨てのような活用をしている企業に人材は居着かないでしょう。また、このままこの会社にいても、自身の成長に繋がらないと思ったら辞めてしまうこともあると思います。