July
ランボルギーニ ガヤルド スーパートロフェオ・ストラダーレ
まだこの後に、フェイスリフトするなんて思ってもみなかった(秋のパリショーに登場)から、スーパートロフェオ・ストラダーレに乗ったとき、これが最後のガヤルドだ!として大絶讃した。もちろん、その気持ちには、顔の変わった本当に最後のガヤルド(来年夏前まで生産)を見た今だって変わらない。とにかく、ノーズがクイックに、カラダがヴィヴィッドに、よく動く。マクラーレンほどではないにせよ、延々に曲がっている道が欲しいと思うほど、気持よく曲がってくれる。そこに、V10の図太いパワーフィールとサウンドが加わって、乗って楽しいという意味においてはアヴェンタドールを上回った、とさえ確信した。リアウィングもよく利いていて、サーキットで試したときには後輪を押さえつける力が背中にまで伝わってきたものだ。乗って楽しいスーパーカー、ランボルギーニではこれが極み。おそらく、ガヤルド後継車は、この路線になるのだろうなあ。来年秋、デビュー予定。August
M・ベンツ C63AMG ブラックシリーズ
8月は例によって趣味の月。12年もまた、ペブルビーチ三昧だったけれども、モントレーに行く前に日本で試乗した、M・ベンツC63ブラックシリーズとアウディRS5(マイナーチェンジ)の印象が強く残っている。特に前者。11年にラグナセカで乗ったときはサーキット試乗だけだったので、公道で試すのは今回がはじめて。東京~山形を往復してみたのだけれど、これが最高に幸せなひとときだった。全般的にフラットでソリッドな乗り心地の極北にあって街中はちょっと辛かったりするわけだけれども、高速域旋回での安定感とアシの動きの心地よさにはもうシビレっぱなし。ある意味、最新のスーパーカーよりもハードな乗り物で、公道を走るレーシングカーのようなスパルタンさの虜になった。文句ナシ、今年イチバン欲しいと思った1台。September
ミニクロスオーバー JCW
“4ドアクーぺ”CLSのスタイリッシュさはそのままにラゲージスペースを拡大した“スポーツクーぺツアラー”。日本では350(970万円)、4WDの550(1240万円)、ハイパフォーマンスモデルの63AMG(1680万円)をラインナップする
October
マクラーレン MP4-12Cスパイダー
458スパイダーで幕を開けた12年。それを上回る感動に10月のスペインで遭遇した。マクラーレンが満を持して投入したMP4-12Cスパイダーである。このクルマもまた、458スパイダーと同様の開閉式ハードルーフシステムをもつスーパー・オープンカーなのだけれども、その街中の乗り心地といい、サーキットでのドライビングファンといい、まったくと言っていいほどクーペと変わらなかった。よく似たクルマ同士でがちんこのライバルなのに、458がクーペとスパイダーとで少し性格を変えたのとは方向性が違っていて面白い。ブランドの考え方の違いである。クーペのままリアウィンドウを下げてサウンドを楽しむドライブもよし、オープンにして風を感じながらゆっくりクルージングもよし、もちろんトラックアタックもいと楽し。そのうえ、実用性でもクーペにまさる。ただ、こうなるとフェラーリ458以上にクーペの存在理由が問われてしまうことだろう。クーペは今後、ライトウェイトバージョンに絞るなど、マクラーレンらしさをもっと演出して欲しいと思う。November
ランボルギーニミウラ&フェラーリBB
10月と11月は、とにかく趣味のクルマのイベントだらけの月で、そのうえ自前のイベント(CARZY Live)までやったものだから、もう大忙し。ラフェスタ・アウトゥンノやラリー日本といったクラシックカーイベントにもCo・ドライバーで参戦した。これだけ趣味三昧なクルマたちに触れてしまうと、スーパーカーの新型車(フェラーリカリフォルニア30、ランボルギーニガヤルド スーパートロフェオ・ストラダーレ、マクラーレンMP4-12C、ポルシェターボ、M・ベンツSLS AMG、コルベットZR-1などなど)に乗りまくったにも関わらず、さほど印象に残らない。ましてや、ランチア改めクライスラーイプシロンや、同300、M・ベンツCLSシューティングブレーク日本仕様も、役不足な感は否めず。というわけで、わが誕生月であることに免じて、12年11月の“顔”は、ミウラとBBということにしたい。とある日曜、50年代のジャガーから、最新のマクラーレンまで、各年代のエポックなスポーツカーを“サーキット”動態保存されているオーナーの厚意で、60年代を代表するミウラSVと、70年代を代表するフェラーリ365GT4BBに試乗させてもらった。いや、もうサイコー。何が最高って、やっぱり12気筒が空気を吸い込む音。万文は一乗に如かず。わが自動車人生のスタートは、確かにここにあった、初心忘るべからず、と慌ただしい年末に貴重な“人生振り返り”の瞬間を与えてくれたという意味でも、印象に残った2台だった。December
BMW3シリーズ 320dツーリング
3シリーズのステーションワゴンモデル。2リッターのディーゼルターボ(320d)とガソリンターボ(328i)をラインナップ。駆動系やエアコンなどを制御し燃費を向上させるECO PROモードを備えた、ドライビング・パフォーマンス・コントロールを備える
2013年もまた、輸入車の年、そしてウルトラスーパーカーの年になりそうな気配である。