傑作ミュージカルが映画になって甦る!
今回はミュージカル映画『レ・ミゼラブル』をご紹介します! ミュージカルの「レ・ミゼラブル」といえば、日本では舞台でおなじみ。ミュージカルファンに愛され、熱狂的な「レミゼ」ファンも多数いるこの作品は、日本だけでなくヨーロッパ、アメリカでも人気があります。そんな不朽の名作『レ・ミゼラブル』の映画化は、これまで何度かありましたが、全編すべて歌で構成されたミュージカル映画『レ・ミゼラブル』は、この映画が初かもしれません。
1815年、姉の子供のために1個のパンを盗んだ罪で19年間投獄されていたジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、仮釈放となるけれど、罪人の彼に世間の風は冷たい。彼は、お世話になった司教の真心に感謝しつつ、新しい人生を歩みたいと、釈放状を破り捨て、逃亡してしまうのです。
8年後、彼はマドレーヌと名前を変えて工場の経営者として成功し、市長になりますが、そんな彼の前に一人の男が立ちはだかります。ジャベール警部(ラッセル・クロウ)は、マドレーヌとジャン・バルジャンが同一人物だと怪しんでいる様子……。そんなとき、彼は、工場をクビになったフォンテーヌが娘のために体や髪を売るほど、身を落とし、病に倒れて先がないことを知ります。ジャンは、フォンテーヌに彼女の愛娘コゼットを守ると約束し、引き取りました。
9年後。美しい娘に成長したコゼット(アマンダ・セイフライド)は、革命に身を投じるマリウス(エディ・レッドメイン)と知り合い、恋に落ちます。同時にジャンのもとにジャベールが近づきます。逃亡するジャン・バルジャンの運命、若い男女の恋、罪人を追いかけるジャベールの執念、そして革命が、パリの街で熱くぶつかり合っていくのです。
歌いながら演技するライブ撮影にこだわったフーパー監督
『レ・ミゼラブル』の映画化の監督リストの筆頭に挙げられていたトム・フーパーは、この企画に最初から興味を持ち、積極的にアプローチをかけました。彼は監督するのが運命だったように自然にそのポジションに座り、そして楽曲で物語をつないでいくこの作品の撮影は”俳優が歌いながら演技をする”というライブ撮影をすることを決定したのです。
フーパー監督曰く「撮影の後から、俳優が映像に合わせて上手にアフレコで歌っても、観客にはリアルに伝わらない。今までやったことのない分野に挑戦するのだから、リスクはあったけど、今までとは違うことをしなければと思ったんだ」。
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