映画/おすすめ映画

俳優の熱演を引き出した映画『レ・ミゼラブル』の歌唱(2ページ目)

世界中で愛される傑作ミュージカルを映画化した『レ・ミゼラブル』は、有名スターさえオーディションを受けたり、ライブ撮影を敢行したりと裏話も話題がいっぱい! 映画化大成功と言われる映画『レ・ミゼラブル』は、どうやって作られたのか? その舞台裏に迫ります!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

オーディションで初心に戻った? ラッセル・クロウ

『レ・ミゼラブル』

ラッセル(左)の熱唱が聞けるのはこの映画だけかも?


それゆえに映画『レ・ミゼラブル』のキャストオーディションは厳しく、出演しているヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイ、ラッセル・クロウらの大スターでさえ、オーディションにトライ!

アンは合格の知らせまで1カ月近く待たされたそうです。ラッセルは売れなかった時代にオーディションを受けまくっていたこと思い出し「あの頃はお金がないから、オーディション会場まで歩いて行っていた。だから今回もホテルからオーディション会場までの28ブロックを歩いたんだ。雨が凄く振っていたけど、タクシーに乗ってしまうとオーディションがうまくいかないような気がしてね」。初心に戻るみたいな気持ちだったんでしょうかね。ラッセルが歌うってだけで驚きだったのに、こんな裏話があったとは……!

テイラー・スウィフトなどの大物スターさえ、オーディションに落ちたという厳しさだったミュージカル映画『レ・ミゼラブル』だけあって、この映画に出演しているキャストは素晴らしい歌唱力で圧倒しています。

ライブ撮影も効果的だったのでしょう、フォンテーヌの「夢やぶれて」やエポニーヌ役のサマンサ・バークスの歌う「オン・マイ・オウン」は号泣ものだし、全員で合唱する「民衆の歌」は体の奥底から感動が湧きあがってくる感じがしました!

映画ならではの熱唱アップに賛否両論?

『レ・ミゼラブル』

アンは撮影でロングヘアをバッサリ切られる!


ただ賛否が分かれているところもあり、それは演出がミュージカルらしくないという点です。よくいえば映画的とも言えるのですが、ソロパートでは必ず役者のクローズアップを多用。そこは映画ならではの演出であり、歌の深いところまで俳優が感情を乗せているかがわかる、感動が高まるという効果がありますが、多用しすぎて「アップが多いなあ」という感想を持つのも確かです。ライブ撮影で歌を重要視し、俳優に歌唱で芝居をさせてミュージカル版にリスペクトを捧げつつも、映像はザ・映画の手法を貫いたのでしょう。そこはやはり映画の監督というのが大きいです。

とはいえ、やはり見事な映画化と言えるでしょう。長いストーリーをわかりやすく、見せ場をうまく配置してコンパクトにまとめ、ジャン・バルジャンと言う人物の人生における光と影を中心に、彼とかかわる人物たちも細部まできちんと描いていますからね。

映画は、やはり主人公であるジャン・バルジャンや悲劇的なフォンテーヌに話題がいきがちですが、記者としては、コゼットをジャン・バルジャンに売ったテナルディエ夫妻(サシャ・バロン・コーエン&ヘレナ・ボナム=カーター)のコメディリリーフぶりも楽しかったです。またマリウスを演じたエディ・レッドメインの美声にも驚きました。「この人、こんなに歌がうまかったの!」と。

次のページでは舞台「レ・ミゼラブル」の情報を!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます