宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

雪組トップスター音月 桂・舞羽美海――退団(2ページ目)

2012年12月24日、雪組トップスター・音月 桂さん、娘役トップスター・舞羽美海さんが、宝塚歌劇団を卒業しました。フレッシュかつ円熟した演技を見せてくれた美しいトップコンビでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

雪組トップスター時代

2010年 『はじめて愛した』ガイ・コンスタンティン
2011年 『ロミオとジュリエット』 ロミオ
2011年 『黒い瞳』ニコライ
2011年 『ハウ・トゥー・サクシード』フィンチ
2011年 『仮面の男』ルイ14世/フィリップ
2011年 『Samourai』前田正名
2012年 『ドン・カルロス』ドン・カルロス
2012年 『フットルース』レン
2012年 『JIN-仁-』南方 仁


音月 桂さん……ついこの間、新人公演に出演していた気がします。月日の経つのはなんと早いことか。

音月桂メモリアルブック

(C)阪急コミュニケーションズ

歌、ダンス、芝居と三拍子揃い、甘いルックスに抜群のスタイル。若手の頃から注目され、芝居でもショーでも、音月さんの存在は大きく、雪組の戦力として活躍しました。

新人公演初主演は『猛き黄金の国』の岩崎弥太郎。現在、宝塚歌劇団理事で専科の轟 悠さんの代表作の一つともいわれる、豪快で粗野な部分もあるこの難役を、わずか研4で堂々と演じ、大器の片鱗をうかがわせます。
これに始まり、新人公演主演を5度も務めました。

2004年には、轟 悠さん主演の特別公演『花供養』にて、二番手格の近衛信尋に抜擢されます。日本物かつ歌も踊りもないストレートプレイという緊張感あふれる作品でしたが、丁寧な演技、口跡の良さ、品格は、10年に一人の逸材を感じさせました。

中性的な魅力もあり、『スサノオ』のアメノウズメや『青い鳥を捜して』のシモーヌ、『外伝 ベルサイユのばら―ジェローデル編―』オスカルなど女役(?)もチャーミングで評判でした。
反面、『銀の狼』のジャンルイ、『星影の人』の土方歳三、『ソルフェリーノの夜明け』のアンドレ・ボルリノなど、大人の男、黒っぽいイメージの役も魅力的。

伸びやかで迫力ある歌唱力で満足させてくれたのが『エリザベート』のルイジ・ルキーニ。ナイフのような鋭さと、色気さえ感じるエキセントリックさに引き付けられました。
また『ZORRO 仮面のメサイア』では、迫真の演技で言葉を捨てたベルナルドを熱演し、表現力の高さを再確認させてくれました。

『ロミオとジュリエット』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

舞台以外でも、2007年、当時のトップスター・水 夏希さんを筆頭に雪組スターで結成されたユニット「AQUA5」のメンバーに選ばれ、世界陸上の開会式、歌番組、バラエティー番組などに出演します。
また2007年12月より三井住友VISAカードのイメージキャラクターにも就任し、宝塚歌劇団の顔として活躍しました。

満を持してのトップスターお披露目は『はじめて愛した』。革ジャンにソフト帽。哀愁を帯びた殺し屋ガイで新境地を開きました。

本公演お披露目は、抜群の歌唱力を持つ音月さんにぴったりな作品『ロミオとジュリエット』のロミオ。甘美で純粋、そして苦悩する様を、まろやかな歌声で表現しました。
 

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