2画面が見れない、というジレンマがゲームになる
タッチパネルでフルーツが表示されていないWii U GamePadに線をひいていきます
このゲームは、ヨッシーに乗って、画面の中のフルーツを全て食べてからゴールを目指すというゲームです。テレビ画面には、スタート地点と、ゴールと、そしてフルーツが置いてあるステージが表示されます。プレイヤーはWii U GamePadのタッチパネルでヨッシーがフルーツを食べてゴールまで進む道筋を描きます。ただしです、Wii U GamePadの画面にはスタート地点とゴールだけで、フルーツが表示されていないのです。
プレイヤーは、テレビ画面とWii U GamePadを見比べて、背景の模様なんかからフルーツのある場所を特定して、道筋を描いていきます。ステージが進むごとに、フルーツが小さくなったり、障害物が登場したり、背景の模様が動いたり、一筋縄ではいかないようになっていきます。
遊んでみると、これはWii U GamePadとテレビを同時に見るのが難しいという点を逆に利用したゲームだと分かります。テレビを見て、手元を見て、もう一回テレビを見て、ヨッシーの進むべき軌跡を描いていきます。そのうち、なんとか同時に見ようと、Wii U GamePadをテレビと近い高さまでもってきてみたりするようになります。DSと違い画面の位置関係が自由に変えられるというのも、自然とゲームの遊びに組み込まれてしまっているのが、また面白いところです。
そうやって、同時に見たいけど上手く見れないというジレンマがゲームになり、成功すれば気持ちいいですし、失敗すると悔しくてもう1度遊びたくなります。
テレビから目を離すという恐怖
バッグの中を夢中でさぐっていたら、いつの間にかゾンビが……って、それこそホラー映画にでもありそうなシチュエーションですよね
このゲームは、Wii U GamePadを様々な形で使いこなしているんですが、その中でもユニークなのは、アイテムを選択するシーンです。このゲームでは、手持ちのアイテムが入っているバッグを開けて中身を確認する際、そのアイテムはテレビ画面ではなく、Wii U GamePadに表示され、そこでアイテムを探すことになります。その際もゲームの進行はストップしません。どういうことかというと、ゾンビに襲われる危険がある中、テレビから目をそらして手元のWii U GamePadでアイテムを探さなければいけない、ということです。
実際ゾンビがそこらにいるかもしれないというような状況にあるとしたら、周囲の警戒を解いてバッグの中をあさるのは怖いでしょう。バッグの中の必要なものを探しつつ、物音でもしようものなら、顔をあげて何か迫ってきてないか確認したくなります。ゾンビUでは、Wii U GamePadを使うことによって、これとそっくりな場面が演出されます。アイテムを選ぶというなんでもないことが、ドキドキや、緊張感をもたらすゲーム体験に変貌するのです。
ニンテンドーランドも、ゾンビUも、本体発売同時タイトルでありながら、Wii Uの2画面の特徴を見事に捉えています。Wii Uというハードがこれから盛り上がる為には、こういったソフトがもっともっと増えていく必要があります。