住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

「住宅ローン減税」確定申告2012年版/適用条件(2ページ目)

マイホームを新築あるいは取得して、2012年中に入居した人は、還付申告することで税控除が受けられます。12年入居の場合、「住宅ローン減税」は控除期間10年間で最大300万円が期待できます。ただ、適用条件をすべて満たすことが必要となります。本稿でしっかり適用条件を確認し、もらい損ねがないようにしましょう。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


中古住宅の築年数は、登記簿「表題部」の【原因およびその日付】欄で確認できる 

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中古住宅の築年数は登記簿の【原因およびその日付】欄で確認する

今ではマイホームに対する「新築重視」「中古軽視」といった固定観念が薄れ、積極的に中古住宅に住もうという人が増えています。「古い」「汚い」「耐震性が心配」といったマイナス要因より、「価格が安い」「同じ予算で新築住宅より広い住宅が手に入る」、さらに「自分の好みに応じてリフォームできる」といった点が評価され、中古住宅は人気度を高めています。従来の「住めなくなれば取り壊せばいい」といったスクラップ・アンド・ビルドから決別し、「いいものを長く大切に使い続ける」といった良質な住宅ストックの形成が推し進められている証左といえるでしょう。

しかし、マンション(耐火建築物)は築25年以内、木造住宅(非耐火建築物)は築20年以内であることが必要条件となります。高経年の場合は住宅ローン減税が受けられないのです。それだけに、築年数を正確に把握することが重要となります。一体、どうすれば正確な築年数を調べられるのでしょうか?――

確定申告した際、税務署は提出された登記簿で築年数を確認します。マンション登記簿「表題部(専有部分の建物の表示)」欄の【原因およびその日付】部分に、当該マンションが新築された日が○○年××月△△日と具体的に記載されています。この登記簿に記載された日付を起点に、本人がマイホームを取得した時点で何年経過しているか税務署は確認します。この期間が「築20年」あるいは「築25年」を満たさないと、「耐震基準に適合していることが証明された住宅」以外、住宅ローン減税は受けられません。きわどい場合は事前に登記簿を取得・確認する用心深さが求められます。

2012年に低炭素住宅に入居すると、最大400万円の住宅ローン減税が期待できる 

続いて、今年度から始まった認定低炭素住宅についても簡単に説明しておきます。

昨年3月の東日本大震災では原発停止によって電力が逼迫(ひっぱく)し、誰もが環境問題・エネルギー政策に強い関心を示すようになりました。日本では温室効果ガス総排出量の36%が建築関連(建設段階11%+運用段階25%)で占められているそうで、実に全体の3分の1に相当する割合です。そこで、二酸化炭素の排出を抑制すべく、低炭素建築物の普及を目的に施行されたのが「都市の低炭素の促進に関する法律」です。

同法によって低炭素建築物と認定されると、確定申告することで下表のように2012年は最大400万円、13年は同300万円が税還付されます。一般住宅より100万円多くなるよう制度設計されています。減税というインセンティブによって低炭素住宅の促進を図ろうという狙いです。2年限りの時限措置ではありますが、上手に利用したいものです。

住宅ローン減税/認定低炭素住宅の場合

 

なお、低炭素住宅の認定基準は、省エネ法の省エネ基準より一次消費エネルギー(冷房、暖房、給湯、照明、換気に要するエネルギー)を10%以上低くすることを要求しています。加えて、エネルギーマネジメントの導入や節水対策、ヒートアイランド対策(屋上や壁面の緑化)などを講じることとしており、一般住宅より建築コストが高くなるのは避けられそうにありません。その分の支出を取り戻す意味でも、住宅ローン減税をフル活用したいものです。

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