多目的に使えるダイニングキッチン
写真8.秋の夕暮れのシーン
LDKは、壁面のコーニス照明の上部に、白色光と暖色光のLEDライン照明が2列に配置され、腰高の造作収納の上部には暖色光のみが内蔵され、光色のコントロールと点滅の組み合わせで雰囲気を変えることが出来ます。
写真8のリビングのソファからの視点では、光とTVの映像との組み合わせで、春はあけぼの、夏は白砂青松、秋は夕暮れ、冬はサイレントライトを演出していました。
写真9.手元に陰影がでにくい
ダイニングキッチンでは、食事だけでなく、子供が勉強できるように照明演出がプログラムされています。テーブル上の吊り下げ器具には、白色光と暖色光の面発光照明と小型のダウンライトが内蔵されています。
勉強時は白色・暖色の面発光照明を両方点灯させ、より明るく机上面に陰影が出にくいように照明します。(1頁写真3参照)照度計で測定すると机上面で700-800lx(ルクス)程度で、視作業には十分です(写真9)。
写真10.バータイムの照明シーン
食事時には、暖色光の面発光照明にダウンライトを加えます。面発光照明だけでは、均一に明るく、食材の立体感などが得られにくいため、直射光であるダウンライトを加え、適度な陰影を出して食事を美味しく見せています。全般照明は壁面のコーニス照明による反射光ですが、食卓面は350-450lx(ルクス)程度の明るさで、家族が賑やかに食事をする雰囲気となっています(写真12)。
また、ダウンライトのみを点灯し、壁面照明を下からだけにするとバータイムの演出も出来ます(写真10)。
これらの照明は手法別に、壁面のシーン記憶調光スイッチに点滅・調光の組み合わせを設定しています。LEDの特性の一つとして、制御のしやすさがあり、調光対応型や1台で調色・調光可能な器具のバリエーションも増えつつあります。蛍光灯でも調光はできますが、機種が限定され、価格も高価になる場合が多いです。
写真11.ミニ菜園
また、キッチンの一角にハーブを育てる、ミニ菜園が設置されていました(写真11)。LEDは熱が発生し難いため、この距離で照明しても熱で植物を傷める心配がありません。ここでは白色光と赤色光を組み合わせていました。
赤色光の波長は、光合成に有効な660nm(ナノメータ:光は色によって波長の長さが異なり、青系は短く、赤系は長い)の波長が多く、一般的な植物工場用の照明として使用されています。
写真12.暖色光とダウンライトを点灯した食事のシーン
次回は、階段やサニタリー、寝室などをご紹介したいと思います。
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