購入者の中心が子育て層。神奈川の好調3物件
住環境やコミュニティづくりも評価
神奈川に目を向けると、元住吉駅から徒歩9分の住宅地に建つ中庭中心のゾーニングが特徴的な「プラウドシティ元住吉」(総戸数296邸)や茅ヶ崎公園の緑や街路樹に囲まれた希少なロケーションの「シティテラス横浜仲町台壱番館」(総戸数245戸)、「次世代エネルギー・社会システム実証事業」に分譲マンションとして初採択された東急東横線「大倉山」徒歩6分に建つ「パークホームズ大倉山」(総戸数177戸)などが好調です。
3物件に共通するのは、小さい子供のいるファミリー層や、将来の子育てを考えているカップル層が多いこと。3物件とも暮らしやすい住環境で、3LDK中心のプランニング。商店街が身近な暮らしやすい環境で、中庭があり自然が身近な「プラウドシティ元住吉」。公園隣接で通学路が車通りのない安全な「シティテラス横浜仲町台壱番館」。マンション内にアーティストの作品を設置し、アートプログラムやグリーンプログラム、地元NPOと連携した創縁プログラムなどコミュニティ活動に力を入れている「パークホームズ大倉山」。家族にとって暮らしやすさが感じられるところも好調な理由でしょう。 東京都の多摩ニュータウンの「諏訪2丁目住宅」建替えプロジェクト「Brillia 多摩ニュータウン」も好調です。京王線「京王永山」駅「小田急永山」駅徒歩7分の丘の上の全1249邸。4月の第1期300戸から10月の第3期1次・2次まで計617戸が即日完売しています。現地を訪ねると多くの森や公園などの緑が残っていて、里山が身近なロケーションです。もともと5階建て23棟、640世帯が住んでいた団地を高層マンション7棟、計1249戸に建替えを実施。500世帯以上が引き続き住み、総販売戸数は684戸です。30代から40代のファミリー層が購入者の中心で、住環境や広い間取りなども決め手になっています。
また、先日レポートした野村不動産の新ブランド「オハナ」のように、トータルバリューがあり価格のリーズナブルなマンションも好調です。7月に紹介した「グレーシアスイート西新井」なども全戸南向きでファミリーの手に届きやすい価格で完売しました。
都心立地もキーワードは「家族」
長期優良住宅や定期借地権という選択肢も
都心部では、分譲マンションとしては首都圏初の長期優良住宅認定の「パークコート六本木ヒルトップ」やフランス大使館隣接の期間約60年の定期借地権付マンション「プラウド南麻布」などが堅調な売れ行きでした。両物件とも3LDK中心で専有面積の広い間取りが中心で、1億台の高額住戸が中心のため、購入層は30代中心というわけではないものの、シニアカップルをはじめ家族利用での購入がメインになっています。職場に近い立地でマンションを購入して家族と過ごす時間を増やしたいというニーズが売れ行きの要因としてはあるようです。その中で定期借地権マンションを選ぶというのも選択肢の一つといえます。今年商品企画で目立ったのは、 地震対策や防災対策などの安全・安心なつくり、太陽光発電パネルやHEMSなど省エネルギー対策、マンションでのイベントなどコミュニティ対策の3つ。その先にあるのは、家族が安心して暮らせる姿なんだと、2012年のマンション市場を振り返ってあらためて感じました。