防災対策、エネルギー対策が進んだ2012年
好調物件のキーワードは、『家族』
2012年も残すところわずかです。東日本大震災の後ということもあり、マンションの商品企画やユーザーの志向にも変化が見られた2012年でした。マンション市況は、堅調に推移してきましたが、不動産経済研究所発表の10月度の首都圏のマンション市場動向によれば、首都圏全体の月間契約率が72.7%に対し、東京都区部の契約率が65.3%であるなど、売れ行きにも変化が見られます。2012年の好調物件を振り返ると、『家族』というキーワードが浮かび上がってきます。
JR津田沼駅南口土地区画整理事業地「奏の杜」エリア初の分譲マンション「ザ・パークハウス 津田沼奏の杜」。総戸数721戸の規模を誇る同マンションは、2011年12月に第1期の販売が始まり2012年10月に全戸が契約完売しました。総来場件数は、約4,100組にものぼり、購入者は習志野・船橋エリア居住の30代~40代の一次取得者層が中心です。好調の要因として挙げられるのが、JR「津田沼」駅前の広大な敷地に公園や、商業施設、住宅が整備される街全体の期待感とともに街全体での防犯対策、津田沼初の免震構造などマンションの災害対策、エコに配慮した設備・仕様です。購入者のうち3人家族が35%、4人家族が15%、2人家族が40%、年齢層は、20代12%、30代42%、40代20%に表れているように、家族で暮らすファミリー層、プレファミリー層が同マンションを支持していたことが見受けられます。また、50代9%、60代超15%とシニア層の購入も顕著です。安心・安全でエコなマンションづくりは、シニア家族のニーズも捉えたとも言えるでしょう。 「プラウド船橋」も、2012年を代表する好調物件です。千葉県船橋市の駅前再開発エリアに誕生する総戸数1,497戸のビックプロジェクト。「未来のふるさとをつくる」スマートシェア・タウン構想を掲げ、太陽光発電や蓄電池、HEMSなど最新の技術やシステムを活用しながらコミュニティを創出し、快適で安全な街づくりが行われています。7月に1街区・2街区573戸を発売し即日完売。11月には、3街区の第1期300戸を販売し即日完売と既に873戸が半年足らずで成約しています。こちらも平均家族数約2.6人(1・2街区実績)が示すように家族での購入が中心です。新船橋駅1分のロケーションで、今春にイオンモール船橋がオープン。公園や病院なども整備され、子育て層やシニア層に住みやすい街づくりが進んでいます。住戸プランは3LDK中心で、稼動ルーバー面格子や玄関扉の中央に開閉できるスリットを設けた換気機能付の玄関扉を採用するなど、風の道など自然を活かした快適な暮らしをサポートするプランニングも特徴です。
災害対策やエコは、2012年の商品企画のトレンドですが、震災を経てユーザーが、家族のことをよく考えた上での住まい選びがより鮮明になっている気がします。
次のページではそのほかの好調物件を紹介します。