米ホワイトハウス

オバマ大統領の再選により、緩和的な金融政策が継続される見通し

米国では11月6日、4年に一度の大統領選挙の投開票が行なわれ、民主党のオバマ大統領が共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事を破り、接戦の末、再選を果たしました。その結果、バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の途中交代も心配がなくなり、同国の金融政策はこれまで通りの緩和路線が踏襲されることとなりました。今年9月に実施された量的緩和政策の第3段目(QE3)で表明されたように、事実上のゼロ金利政策は少なくとも2015年半ばまで継続される見通しです。

こうした流れを受け、わが日本においても金融緩和を一段と強力に推進する動きが目に付きます。海外経済の減速した状態が強まるなか、2010年10月から続く実質ゼロ金利政策を中止する(=利上げする)には機は熟しておらず、「景気は、このところ弱めの動きとなっている。先行きについても、当面は弱めの動きが続くと見込まれる」(10月の月例経済報告/内閣府)状況下において、政策スタンスは緩和方向を維持することが避けられません。このことは市場金利に下押し圧力を生み出し、住宅ローン金利の先安観を強めます。

そのせいか、住宅金融支援機構が今年9月に公表した「民間住宅ローン利用者の実態調査(平成24年度第1回)」を見ても、今後1年間の住宅ローンの金利見通しについて68.2%の人が「ほとんど変わらない」と回答。「現状よりも上昇する」と答えている人は全体の21.7%にとどまっています(下記参照)。同じく、金利タイプ別の利用状況を見ても、54.5%の人が「変動金利タイプ」の住宅ローンを選んでいます。金利の先高感を意識している印象はほとんど感じられません。

<今後1年間の住宅ローンの金利見通しについて>
 ・現状よりも上昇する ……………21.7%
・ほとんど変わらない ……………68.2%
・現状よりも低下する  ……………4.5%
・見当がつかない …………………5.7%

しかし、30年近くにも及ぶ住宅ローンの返済期間の中で、現在の低金利が将来的にも続く保証はどこにもありません。万が一に備え、金利上昇のシナリオを描いておくことは必要です。リスク対策を欠かすことはできません。そこで、読者からの相談をもとに、現状の金融環境に見合った資金計画の立て方をご紹介します。

0.95%の「変動金利」 or 1.50%の「10年固定特約」  借りるなら、どちらが有利? 

11月初め、私ガイドのもとへ住宅ローンに関する以下のような相談が寄せられました。

【相談内容】
こんにちは。住宅ローンの借り換えを検討している山本(仮名)と申します。Webを見て、勉強させていただきました。可能であれば相談に乗っていただきたく、ご連絡いたしました。

現在、住宅ローンを返済中なのですが、先日、別の銀行から借り替えの提案がありました。借り替えには手数料が発生することもあり、どうしようか悩んでいたのですが、現在のローンを借りている銀行に相談したところ、本来は変更できないそうなのですが、今回、特別に借入金利を低くしてもらえることになりました。手数料もかからないそうなので、別の銀行に借り替えるのはやめて、今の銀行で金利変更しようと思っています。

そこで、質問なのですが「変動金利」にするか「10年固定金利」にするかで迷っています。選択肢は2つのみです。金利上昇リスクを警戒して固定金利を推奨する人もいますが、自分としては変動金利にしようかと思っています。たとえ10年固定金利を選んでも、10年後は上昇するリスクがあると考えると同じような気がするからです。

こうした状況のなか、一体どちらの金利タイプを選択するのが望ましいでしょうか?―― 素人の自分に可能な限りアドバイスいただけると助かります。ご協力よろしくお願いいたします。

山本さんの資金計画

 

山本さんの心理を分析すると、「せっかく低金利で借りられるのなら、そのチャンスを逃したくない」という気持ちが見て取れます。「金利上昇には警戒が必要だが、低金利の恩恵を優先的に享受したい」というわけです。ごもっともなご意見です。

では、どう金利タイプを選べばいいのか、次ページでガイドなりの考え方をご紹介します。