充実した装備、高級感もアップしたインテリア
前述のようにハイドラクティブIIIプラスサスペンションは、信頼度アップと引き替えにかつてのハイドロニューマチックに比べてどちらかというと現代的な乗り心地で、他の車と大きな差を感じにくくなっています。インテリアデザインも、従来からのファンからは少し不満が出そうですが、例えばハンドルを切っても中央部だけは固定されているなど、他社にはあまりないちょっとした“仕掛け”があります。また先代C5から見れば高級感が2クラスは上がっていると思います
それでも長距離を乗れば疲れにくいその優しい乗り心地を体感できるはずです。さらにハイドロニューマチックのシトロエンに比べてワインディングで走っても楽しい車に仕上がっています。
デビュー時に導入されたのは直列4気筒2Lエンジン搭載車とV型6気筒3Lエンジン搭載車。2Lのミッションは4ATですが、3Lには6ATが組み合わされました。さらに2010年5月には2L車に変わって1.6Lターボ+6AT車がラインナップ。流行のダウンサイジングで燃費を向上させています。
デビュー時の最低価格が399万円(2L車)であっただけあり、装備は充実しています。ステアリングを切ると、その方向を照らしてくれるキセノンヘッドライト、前席パワーシート、駐車時に障害物あると警告音やディスプレイ上で教えてくれる前後パーキングセンサー、左右独立エアコン、クルーズコントロールなどを標準装備。
ヘッドレスト形状に特徴のあるシートは、背もたれの上部角度を調整することができます。2L車はレザー&ファブリック、3L車はフルレザーシート。3L車の運転席はシートヒーターやマッサージ機能も備えています
価格や装備ではメルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズに負けてはいません。あとは、シトロエンとしてはややおとなしめながら独特の存在感のあるデザインや、ハイドラクティブIIIプラスの乗り心地がこの車の魅力といったところでしょうか。
では、なぜこのタイミングで私はオススメなのか。確かにプラットフォームを共有するプジョー407と比べて値落ちがゆるやかですが、逆にこれを「値落ちしにくい」と見ることもできます。
さらに、別にメーカー保証というわけではないですが「5年間または走行距離20万kmまでメンテナンスを必要としない」とメーカーは主張しています。2008年式なら来年がちょうど5年目。ですからどうせ値落ちしないのなら、今のうちのほうがいいのではないかと思った次第です。
原稿執筆時点では2008年式の3Lモデルが188.9万円(4.8万km/修復歴なし)から見つかります。私としてはフランス車を食わず嫌いしている人にぜひオススメしたいですね。実際にハンドルを握ってドライブをしてみれば、ドイツ車や国産車とはひと味違うなと実感していただけると思いますから。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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