万人にもオススメしやすくなった“魔法の絨毯”
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はシトロエンC5セダン(現行)を取り上げたいと思います。従来からのシトロエンファンは物足りなさを感じるかも知れませんが、初めてのシトロエンという人にはアクがそれほど強くないので、ドイツ車にはない新鮮なデザインとして感じてもらえるのではないでしょうか
同じフランスのセダンであるプジョー407が、いかにもフランス車らしく(!?)順調に値落ちしているのに比べて、C5セダンは値落ちがなかなか進んでいません。つまり、おいしさで言えば断然プジョー407なのですが、それでも私はC5を今回取り上げます。
2008年10月に日本でビューしたC5セダン。シトロエン伝統のガスとオイルを組み合わせた独特のサスペンション形式の最新版、ハイドラクティブIIIプラスを搭載しています。
このハイドラクティブIIIプラスの先祖にあたるのは、名車DSなどに搭載されたハイドロニューマチック。こちらと比べると乗り心地は明らかに現代的な車のそれに仕上がっていて、言われなければ、そんな凝ったサスペンションを持っているなんて気づかない人のほうが多いのではないでしょうか。
独創のサスペンションであるハイドラクティブIIIプラスは、乗員や荷物の量に関わらず姿勢を一定に保つセルフレベリング機能や、自動または任意に車高を調整できるハイトコントロール機能、ノーマル/スポーツの2モード切替機能を備えています
ハイドロニューマチック搭載車は「空飛ぶ魔法の絨毯」と称されるほど、抜群の乗り心地を乗員に提供してくれました。地面から本当に浮いているように優しくて、同時に路面をしっかりつかんで離さない感覚をしっかりドライバーに伝えてくれるという、他社の車では味わえない、独特の乗り心地です。
それゆえファンも多いのですが、いっぽうで故障に悩まされることも少なくありませんでした。私もかつてハイドロニューマチックを搭載したエグザンティアを愛車としていたことがありますが、ご多分に漏れず故障しました。
ですからあまり万人にはお勧めできないのですが、その点ハイドラクティブIIIプラスサスペンションは信頼度が飛躍的に進化しています。しかも、前述の通りなかなか値落ちしなかったのですが、いよいよ100万円台で手に入るようになってきました。
もちろん信頼度の増したサスペンションだけが今回C5セダンをオススメする理由でありません。次ページ以降で魅力をさらに詳しく見ていきましょう。