定年・退職のお金/老後資金の貯め方

定年後にパートナーが認知症になったらどうする?(2ページ目)

「認知症にだけはなりたくない」「認知症の介護だけはゴメンだ!」と忌み嫌われている認知症。しかし、平成25年度からスタートする「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」では、在宅ケアを中心に据えています。認知症高齢者の介護の現状と利用可能なサービス、軽減措置などを中心にご紹介します。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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介護費用はいくらくらい?

介護保険サービスは認定度によって利用できる内容と点数が異なり、利用した介護サービス費の1割を自己負担します。1ヶ月にかかる介護費用の概算は次のようになります。
  • 在宅で介護サービスを限度まで利用した場合       要介護「3」は約2万7000円
  • 在宅で介護サービスを限度まで利用した場合       要介護「5」は約3万6000円
  • グループホームに入居          6万~20万円
  • 介護老人保健施設             7万~18万円(日常生活費は自己負担)
  • 介護老人福祉施設             6万~10万円(日常生活費は自己負担)
平成18年における認知症高齢者の年齢階級別の有病率(本間昭 東京都老人総合研究所)は、65~69歳で1.9%、70~74歳が4.5%ですので、特段に認知症のために介護費用を準備する必要はないようです。

介護費用の負担を軽減する制度

介護サービス利用料が高額になり、利用が難しい人(世帯)に対して次のような制度を設け、自己負担の軽減が図られています。
  • 高額介護(予防)サービス費:1ヶ月の自己負担額が一定額を超えた場合には、超えた額が支給される。
  • 高額医療・高額介護合算療養費制度:世帯内で医療保険と介護保険の自己負担額(高額療養費、高額介護サービス費を差し引いた額)を合算した額が「世帯の負担限度額(年額)」を超えた場合には、超えた金額を差し引いた額が支給される制度。
高額医療・高額介護合算療養費制度(世帯の負担限度額一覧)

(画像はクリックすると拡大します)名古屋市役所ホームページ「高額医療・高額介護合算制度のあらまし」を参考に作成


また、認知症の程度によっては、次のような制度を利用できる可能性があります。
  • (特別)障害者控除:所得税・個人住民税が軽減
  • 自立支援医療(精神通院医療):外来や訪問看護、デイケアなど医療機関に入院しないで行われる医療費
  • 障害年金:公的年金加入者で受給要件を満たしている場合
  • 特別障害者手当
  • 障害者手帳

>>次のページでは「成人後見制度」について、解説します。

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