LED照明による光の制御
写真4.就寝前の温かい光
今までの蛍光灯による環境照明は就寝時間になると明るさを徐々に落として、やがて一部の灯りを残して真っ暗にします。映画などのアメニティを楽しむ人の一部や読書をする人は読書灯を利用します。そして目的地に近づくと環境照明が徐々に明るくなって、旅人は目覚めます。
写真5.窓から昼光を入れる時間帯は白い光
LED化されている機内照明は、環境照明が調光の他に、白色から電球色に光色を変えることが可能になっています。たまたま乗った国際線の機内照明は就寝時間前になると電球色の機内が徐々に暗くなり、目覚めの時間帯には電球色から白色に光色を変え、明るくなっていきました。
写真6.モニターの下に手元灯が付いている
また、天井に付く読書灯は、本来その席の読書部を照らすものですが、実際は隣の席で眠っている人に全く影響はないかと言えばそうではありません。隣どころか前後の席にも微妙に光が行きます。そこで、例えばビジネスクラスなどになるとアーム式の手元灯が付いて、本当に手元だけが明るくなるようになっています。
機種によってはエコノミークラスでも手元灯が別にビディオモニターの下に付いていて、しかも3段階の調光のできるものがあり、隣に迷惑をかけないような設備になっています。機内のLED照明化は単に照明機器の進化に留まらず、今後、照明手法や制御方法のソフト面での進化も期待されます。
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