VW(フォルクスワーゲン)/up!

コンパクトの新スタンダード、VW up!

デザイン、走り、機能性(安全性を含む)、環境性を高次元でシンプルに達成した、VWの新コンパクトカーがup! 。日本における価格設定もまさかの150万円切りスタートと、まさしく「快哉を叫ぶ」クルマです。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

デザイン、走り、機能性、環境性を五つ星レベルで実現

VW up!

昨年のフランクフルトショーでお披露目された、VWで最もコンパクトなハッチバック。3ドアのムーブ アップ! (149万円)、5ドアのムーブ アップ! (168万円)と装備充実のハイ アップ! (183万円)をラインナップ


デザイン、走り、機能性(安全性を含む)、そして環境性。最新モデルの主張はあまねく、この4項目を高いレベルで達成した、という自画自賛になるわけだが、本当の意味でこれらを高次元でしかもシンプルに実現しているクルマなど、ないに等しいと言ってよかった。そう、これまでは……。

VWの意欲的な新コンパクトカー・up! もまた、そう主張して憚らない新型車のひとつ、だけれども、このクルマは、超客観的にみて、本当にそれを、高いどころか五つ星レベルで実現した快作だと、断言していい。

快哉を叫ぶ、とは正にこのクルマのためのフレーズだったと、日本仕様を試乗した今、改めて思う。

その仕上がりだけじゃない。思い切ったコンセプトを実現したVWの胆力と、それによって得られたコンパクトカーの新しいスタンダードに、“マイクロカーのガラパゴス王国ニッポン”を憂う1人として、痛快に思ったのだった。

この痛快事を、ソフト面で支えたのは、もちろん、日本における価格設定だ。

マサカ、の150万円切りスタート。

たしかにそれは、up! を望むユーザーの期待に応えているとは言い難いグレードではあるけれども、クルマの本質的なパフォーマンスは2ドアも4ドアも変わらないわけで、そう考えると、“当代超一級のドイツ製コンパクトカー”がちょっとした軽自動車と同じ価格帯にハマったという事実に、喜びと感動を覚えずにはいられない。

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