不満を抱えたお年寄りをよく見かけませんか? 

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苛立ちや愚痴・・・・・・心が不安定なお年寄りは多い

町に出ると、イライラしたお年寄りが店員を叱り飛ばしたり、マナーの悪い人を怒鳴ったりする様子を見かけます。反対に、「私なんてもう、何の役にも立たないから……」などと、愚痴めいたことを口にするお年寄りもよく見かけます。

怒りっぽい人は、何かの刺激を受けると冷静さを失い、感情をぶつけずにはいられないような心境に見えますし、愚痴っぽい人は、何度励ましても言葉が心に浸透せず、不満のベールに覆われているように見えます。

こうしたお年寄りも、以前は冷静で大らかな人だったり、ほがらかで明るい人だったのかもしれません。それなのに、老年期になると怒りっぽくなったり、愚痴っぽくなったりするのは、どうしてなのでしょう?
 

「喪失体験」にたびたび遭遇する老年期 

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体力の衰えを感じるのも喪失体験

老年期はさまざまな「喪失」を体験する年代だといわれます。

たとえば、体力が落ちて若い頃のように動けなくなったり、体のあちこちが老化して、病気がちになることは、「身体」の喪失体験です。子どもが巣立ち、パートナーや友人の死に向き合うことは、「人間関係」の喪失体験です。また、仕事を引退したり、子育てから卒業することは、「役割」の喪失体験です。

このように老年期に入ると、それまでは当たり前だったことを急にできなくなったり、失ったりします。次々にこうした喪失体験に向き合っていく老年期は、心が非常に不安定になりやすい年代なのです。

怒りっぽいお年寄りのように、怒りを外に向けて発散している人は、まだ心にエネルギーがある証拠。しかし、怒りは人を傷つけるため、やがては周りにいる人から距離を置かれてしまうでしょう。愚痴っぽいお年寄りも、共感できる相手と話して発散しているうちはいいのですが、愚痴の多い環境は人を陰鬱にさせるため、やがては人に疎んじられてしまうかもしれません。

そうして孤独になり、不満を溜め込むようになると心配です。そのままでいるとうつ病を発症し、生きていくことに希望を見出せなくなって、生きる気力を失っていく人も少なくありません。